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今回の解説は、日本スペースガード協会奥村さんです。問題にあった「ガスやチリが集まって星が生まれる場所を何と呼ぶか?」正解は、「暗黒星雲」でした。では、「暗黒星雲」とはどういった状態なのでしょうか?星間物質中のチリ(ダスト)が天体からの光を吸収し遮ることにより空の上で周辺より暗く(黒く)見える部分のこと。大きさは、望遠鏡でないと見えない1分角以下のものから目で見てもわかる数度角にわたるものもあり、その形状も不規則で多様です。〇分角について※角度および経度・緯度の単位。1分は1度の60分の1。(Wikipediaより)特に天の川に沿って観測されます。暗黒星雲には、低温度の星間物質が濃く集まっています。その主成分は水素分子で、チリ(ダスト)は1%以下です。典型的な水素分子密度は、1㎤あたり、1000ないし1万個で、温度は絶対温度10K程度です。※温度の単位の1つで、単位は [K] です。 「熱力学温度」と呼ばれることもあります。10K= -263.1500℃質量は、太陽質量程度のものから、その1万倍以上のものまであります。電波観測から、暗黒星雲の中にさまざまな分子があることも知られています。このため、暗黒星雲は、「分子雲」とも呼ばれます。ただし、暗黒星雲は、可視光での見え方によって定義されるのに対して分子雲は、電波観測から定義されたものなので、その大きさや広がりは必ずしも一致するわけではありません。分子雲があってもそれを照らす星がなければ暗黒星雲としては見えません。暗黒星雲は、星形成領域にあり、しばしば、輝線星雲や反射星雲のような光って見える星雲と混在しています。星は、暗黒星雲の中で生まれますが、可視光では、強い吸収のためにその様子はほとんど見えません。吸収の少ない近赤外線で見ると、暗黒星雲の奥深くで誕生したばかりの星々の存在がわかります。また、さらに波長の長い中間赤外ないし遠赤外線でみると星間物質中のダストから発する熱放射によって暗黒星雲が「輝いて」みえる。ハッブル宇宙望遠鏡などで、紫外線、可視光、赤外線を総動員して高分解能の写真を撮ると、暗黒星雲の中で生まれた大質量星からの強力な紫外線によって星間物質の一部が昇華して、密度の高い部分だけが柱状に残る構造や生まれたばかりの星からジェットが噴き出している様子などが見られます。ちなみに選択肢にあった「アンドロメダ銀河」というと皆さん聞きなじみがあるかもしれませんが、アンドロメダ銀河は、地球から約250万光年離れている場所にあります。ということは私たちがみているアンドロメダ銀河はおよそ250万年前の姿だということになります。日本では、秋ごろに見ることができます。また、「天の川銀河」と「アンドロメダ銀河」の距離は縮まっていてアンドロメダ銀河は約40億年後に天の川銀河にぶつかると考えられています。しかし、お互いをすり抜け、一度は通り過ぎた2つの銀河はお互いが引っ張り合う重力に引き戻され最終的には、2つの銀河の銀河核は融合します。このように銀河というのは、衝突や合体を繰り返すことによって進化していくと考えられています。では、この時、我々人類はどうなっているか?この衝突が起きるころには、太陽は、「赤色巨星」という大きな星になって金星の軌道上に達するほど膨張し、地球の温度は、現在の「水星」並みの約430度となり灼熱の星となってしまい、人類はもはや、地球に住むことができなくなっているでしょう。解説は、日本スペースガード協会奥村さんでした。
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