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ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ今回は、いい今日と、いい未来を照明からパナソニック 山田さんの解説です。Q.山田さんの部署では、どんなことを専門にされていますか?私の部署では、照明器具を用いてどのような光環境を作ることができるか。つまり照明設計の手法の研究を専門にしています。Q.光環境をつくる照明設計とは、いったいどんな仕事なんでしょうか?照明設計は、建物がもつ機能に合わせて、照明器具の台数や配置を検討し、適切な光環境、簡単に言うと明るさになるように設計することです。Q.具体的な例をいくつかありますか教えてください。オフィスは白っぽい光で明るいイメージがあるかと思いませんか?一方、カフェなど暗っぽくて落ち着いたイメージがありますよね。空間によって必要な照明の色や明るさが変わってきます。そうした、光や照明の技術開発をしているのが、照明設計という仕事です。Q.照明器具の勉強というのは基本どういった分野で学ぶものですか?基本的に照明は、建築物に付随するものですので、大学などでは主に建築学科にて照明工学という学問で学びます。それ以外に照明そのものである照明器具に関しては様々な部品から作られており、電気の知識や機械の知識が必要にもなります。Q.LEDについて教えてください。LEDとは、Light Emitting Diodeの略で発光ダイオード、いわゆる半導体に電気を流し、発光させております。特徴としては今まで使用していた蛍光灯よりも高寿命、高効率つまり電気代が安いということですね。照明は、約60年周期で変わっていると言われており、エジソンが発明した白熱電球から蛍光灯そして現在のLEDへと進化してきました。何十年か後はLEDに置き換わる新たな照明が生まれるかもしれませんね。ここまで、照明についてお話してきましたが、放送分の「光害」について振り返りをお願いします。今回のテーマは、「光害について」でした。放送分で解説したように、光に害と書いて「ひかりがい」と読みます。これは、照明の設置方法や光を照らす範囲が不適切で景観や周辺環境への配慮が不十分なためにおこるさまざまな影響をいいます。井原市の方々からの要望で開発した光害対策型のLED防犯灯・道路灯は、2020年1月に国内で初めてダークスカイに「星空に優しい照明」に認証されました。「星空に優しい照明」の認証は、光害問題に取り組む米国のNPO団体であるダークスカイが認証するもので、主に、星空を見えにくくする上方への光の漏れが一切ないこと(上方光束比0%)、青色光が少ない電球色である3000K(ケルビン)以下の色温度であることが求められます。Q.上方向へ光が漏れるというのは、上方光束比0%。これは、どういった状況なのでしょうか?基本的に照明は、下方向に照らして、屋外であったら道路や歩道などを明るくします。言ってしまえば上方向への光は不要な光で、上方向へ光が漏れるというのは、不必要に夜空を明るくして天体観測に影響を与えたり、マンションなどの住宅への差し込み光となり安眠を妨害するなど、自然や生物へ悪影響を与える状況になりかねません。Q.光の色の影響について教えてください。照明器具は、色々な色の光が混ざって白色に見えます。それは色温度の違いによって光の色が異なって見えます。色温度が高いほどつまり青白い光の方が、大気中への散乱が起こってしまいます。一方で色温度が低いつまりオレンジ色の光は散乱が起こりづらいです。これは身近なところで言うと、夕日が赤い現象と同じですね。夕方は日中に比べ、太陽と人間の距離が長く、青い光は散乱してしまい、オレンジ色の光だけが人間に届くのです。まとめますと色温度が高い白い光は夜空を明るくする可能性があり、色温度が低いオレンジ色の光は夜空を暗く保持します。そのため光害を抑制するためには低色温度の照明が望ましいです。パナソニックが開発した本製品は、先ほどのダークスカイの規定を満たしております。パナソニックが作った防犯灯・道路灯を設置し、岡山県井原市美星町は、2021年11月にアジア初の認定となる「ダークスカイ・コミュニティ」になりました。Q.ちなみに次はどこ?色々な自治体・全国でパナソニックが開発した防犯灯・道路灯を設置し、夜空を守る活動の検討が広まっている状態です。美星町の活動は、非常にいい例となっています。懸念として、上方向の光は、壁を照らしたり、顔を照らしたり、そういった要素もがあります。防犯灯としては、安全につながる光となります。上方向への光が無くなってしまうというのは、安全性から少し劣る。この照明器具をつけるためには、そのエリアの方々の理解が必要になります。美星町の方たちは、星空を守りたいという、誇りがあり、導入に至ったわけです。Q.「ダークスカイ・コミュニティ」は星空版世界遺産ということですね!はい、先ほどのダークスカイが認定する星空保護の認定制度は、認定される地域によって色々な種類があるのですが、ダークスカイ・コミュニティは、光害に対しての優れた取組が実施されており、周辺地域への模範となる町や市といった自治体単位が認定対象です。まちの名前にふさわしい美しい星空環境の保護活動に参加することができました。星空保護区についてですが、日本で初めて星空保護区に認定されたのは、沖縄県にある「西表石垣国立公園」で「ダークスカイ・パーク」の認定を受けました。その次に、東京都の離島である神津島は「ダークスカイ・アイランド」の認定を受け、今回紹介した、岡山県井原市美星町は、「ダークスカイ・コミュニティ」の認定。でした。Q.さて、ダークスカイプレイス・プログラム星空保護区認定制度ですが、他には?星空保護区にはリザーブ・アーバンナイトスカイプレイスなどといったその地域の種類によって分かれたカテゴリーがあります。基本的に星空保護に力を入れている町や市といった自治体であったり、自然公園や施設の認定が多いです。Q.そして、昨年2023年は?福井県大野市の南六呂師エリアが、国内4番目の「星空保護区」に認められました。市街地に近くても暗く美しい夜空を保つ地域が対象の「アーバン・ナイトスカイプレイス」の認定で、この部門ではアジアで初めてとなります。すごいですね!全国でこういった活動が広がるといいですね!はい、これからもパナソニックは、温かみのある光で、落ち着いた夜の景観を演出し、人の暮らしと星空が共存するまちづくりへ貢献していきます。そういえば、蛍光灯が今後2027年に製造が禁止となります。今後LEDに代えていかないと、使えなくなります。Q.蛍光灯がつかえなくなる?基本LED照明は、本体ごと代えるものが多いです。LED化に伴い工事が必要になるケースが多いです。そのためなるべく早めのLED化のご検討をお願いします。冒頭でお話したように、照明設計を考えた商品づくりを今後していきます。我々が環境に配慮し、生物との共存をしていくことで、ひとりひとりが地球の環境問題に参加していくことが重要になってきます。これからの活動期待しています!以上解説は、いい今日と、いい未来を照明からパナソニック山田FM岡山青山がお伝えしました。
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