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ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ星取県 星空環境推進室長田中です。今回のテーマ、「星空がきれいな都道府県」についてでした。放送分で解説したとおり、環境省などによる「星空の見やすさ」全国調査で、何度も1位に輝いた場所が、鳥取市佐治町にある公開天文台「さじアストロパーク」です。ちなみに、2008年から2017年までに実施された20回の調査で、鳥取市にある天文台「さじアストロパーク」が1位になった回数は11回でした。この全国調査、正式には「全国星空継続観察」と呼ばれるもので、全国で20カ所以上の定点観測地で星空を写真撮影し、夜空の暗さを測定するものです。さじアストロパークには口径103cm反射望遠鏡やプラネタリウムがあり、星や宇宙に関する展示コーナーも充実しています。本格的な天体望遠鏡を備えたコテージもあり、心ゆくまで天体観測ができます。星取県では19ある市町村のすべてで『天の川』を見ることができ、県民の誰もが星空に親しむ環境にあるといえます。美しい星空を守りたい。そういった思いで星取県は、2017年、鳥取県星空保全条例を制定しました。県の全域を対象とした星空保全条例の制定は、都道府県レベルでは初めてのことです。条例は、星取県の「美しい星空が見える環境」を「県民の貴重な財産」として保全することを目的としており、強力なサーチライトで夜空を照らすことに制限を設けているほか、星空が特に美しく見える区域を「星空保全地域」に指定し、屋外照明の基準を定めています。また、「星空保全地域」は県内に7地域あり、さじアストロパークがある鳥取市佐治町もその一つです。「美しい星空に手が届きそう」そんな環境を楽しんでほしいという思いで、2017年から鳥取県は「星取県」を名乗っています。さて、「晴れの国おかやま」も、星がよく見える「天文王国」です。天文王国おかやまと星取県の間をつなぐ、一人の人物がいました。世界的アマチュア天文家で、「天体発見王」とも呼ばれた本田實(みのる)さんです。本田さんは、1913年に現在の鳥取県八頭(やず)町に生まれました。鳥取県八頭町は、県の東南部に位置し、江戸時代から栽培されている花御所柿が有名です。本田さんは、10歳ごろから星や天体観測に興味を持つようになり、自作の望遠鏡で星の観測をスタート。1941年には、全国初の民間天文台である岡山県倉敷市にある倉敷天文台に着任しました。その後、太平洋戦争に出征しましたが、戦地で新しい彗星を発見したのは有名なエピソードです。復員してからは、星が見えにくい満月の夜と雨の日を除き、休むことなく天体観測を続け、生涯において、なんと彗星を12個、新星を11個発見しました。これは当時の現役観測者の世界記録でした。1990年8月26日の夜、本田さんは倉敷天文台で観測データの整理中に永眠しました。本田さんは、ふるさとの八頭町と倉敷市、両方の名誉市民として顕彰されており、天文王国おかやまと星取県の架け橋となっています。中国山地を挟んで、鳥取側、岡山側の双方から星を見つめ続けた本田さんは、星取県と天文王国の可能性を早くから見抜いていたといえるのではないでしょうか。鳥取県には、美しい星空に象徴されるような自然と調和した暮らし、人と人との絆、ゆったりと流れる癒やしの時があります。まるで手が届きそうな満天の星空の下、日本一の鳥取砂丘や中国地方最高峰の大山、雄大な日本海が広がり、豊かな自然に恵まれています。星のように輝くコメの新品種「星空舞(ほしぞらまい)」の栽培も盛んです。また、星取県から宇宙産業の創出にも取り組んでいます。ポッドキャストをお聞きの皆さんも、ぜひ一度、星取県にお越しいただき、ゆったりと星空を見上げてみてはいかがでしょうか。以上、解説は、星取県 星空環境推進室長田中でした。
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