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戦後80年という節目の年にあたる今年、番組では戦争の記憶と仏教の教えから平和について考えます。🔶 サンフランシスコ講和会議と仏教精神1951年、サンフランシスコ講和会議でスリランカ代表のジャヤワルダナ氏は、お釈迦さまの言葉を引用してスピーチを行いました。「怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない。 怨みを捨ててこそ息む。」スリランカは日本に対する戦後賠償請求を放棄しました。この精神は「怨親平等(おんしんびょうどう)」と呼ばれ、仏教の慈悲の心に基づいた行動でした。🔶 日本と仏教の戦争協力の歴史浄土真宗を含む仏教各宗派は、戦時中に教えを曲げて国家に協力しました。仏教の本来の教えとは異なる方向に進んでしまった過去を、今こそ見つめ直す必要があります。🔶 浄土真宗の平和に向けた声明戦争は命を奪い、命の尊厳を踏みにじる行為。「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」という親鸞聖人の言葉の通り、私たちは状況次第で争いの加害者にもなり得る存在。だからこそ、同じ過ちを繰り返さないために、状況を作らない努力が必要であると説かれています。🔶 詩「死んだ男の残したものは」から学ぶこと谷川俊太郎さんの詩「死んだ男の残したものは」を紹介。死者が遺したものは、物質ではなく、生き残った私たち自身であること。歴史の犠牲の上にある現在を認識し、二度と戦争を繰り返さないという意志を持つことが重要。🔶 まとめスリランカの怨親平等の実践や、谷川俊太郎さんの詩から、私たちは戦争と平和について深く学ぶことができます。日本が歴史の中で犯した過ちを正しく理解し、語り継ぎ、未来に活かす努力が求められています。平和を守り続けるためには、仏教の教えや宗教心を日常生活の中で大切にしていく姿勢が欠かせません。来週のテーマは「ご法事」。「三回忌はいつ?」という疑問にもお応えしながら、法事についてわかりやすくお話していきます。――――――――――――――――――――――――今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。では、また来週お会いしましょう。出演:お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)司会:丸井純子(まるい じゅんこ)
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高千穂さんのご縁です。