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ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ変光星と星の誕生を主に研究しています。岡山理科大学の福田です。今回のテーマは、「変光星と若い天体」でしたね。放送分で解説したように、光り輝く星、恒星。この恒星の中でも明るさが変わる星があります。これを変光星と呼んでいて、今までに223万個以上の変光星が発見されています。まず、太陽がどのようにして誕生したのかをお話しします。太陽は分子雲と呼ばれるガス雲が重力によって集まり、収縮して誕生したと考えられています。ものが集まってくると、圧力と温度があがっていきます。この状態で光っている星を前主系列星といいます。その後、重力収縮がさらに進み、中心の温度がさらに上がると、中心部では水素の核融合反応が始まります。この状態の星を主系列星と呼びます。現在の太陽も水素の核融合反応で光る星で、主系列星に分類されています。先ほど、太陽の誕生の説明をしましたが、おうし座T型星はこのような天体の代表例です。変光星には色々な種類がありますが、その種類に応じて、代表星の名前に型をつけて、なになに型と呼んでいます。つまり、おうし座T星を代表とした変光星の種類を、おうし座T型星と呼んでいます。おうし座T星は、おうし座にある変光星で、ヒアデス星団のV字型を型作る最も北の星の近くに位置します。年齢は、数百万年の非常に若い天体で、地球から471光年の距離にあります。おうし座T型星前主系列星は大変面白い特徴を持っています。地球や木星など惑星を育む円盤の構造が存在し、最新の電波望遠鏡でその姿が調べられています。ジェットと呼ばれるガスの噴出現象も観測されています。おうし座T型星自身も様々な理由で、星の明るさを変化させます。太陽も現在の状態になる前はいろいろなことが起こったと考えられます。さて、ここからは、さまざまな種類がある変光星の中で、重要な天体についてご紹介します。天文学の歴史上、もっとも重要な変光星の型は、問題の選択肢にあったケフェウス座デルタ型星です。ケフェウス座デルタ型星はセファイドあるいはセファイド変光星ともいいます。この変光星では星自身が周期的に膨張と収縮を繰り返す「脈動」によって、その明るさが変化します。脈動の周期と、天体の真の明るさに関係があることが発見されたため、銀河系近傍の銀河の距離を測定することに使われました。ハッブル=ルメートルの法則として知られている、宇宙膨張の法則は、こういった脈動変光星の観測によって発見されたのです。最近、宇宙は加速膨張しているといった話を聞いた人もいるかと思います。宇宙の加速膨張を調べた研究も変光星を用いて調べられました。その変光星はIa型超新星と呼ばれる天体です。Ia型超新星の正体は連星系をなす白色矮星の爆発で、爆発の仕方がいつも同じであるため、その明るさもいつも同じであると考えられています。このことから遠方の銀河の距離を測定することに、Ia型超新星が使われました。ただ、このIa型超新星となる直前の状態に関しては、まだ研究途中でよくわかっていません。2つの白色矮星が合体して爆発する説。白色矮星の隣の星から質量が降り積もって爆発する説があります。もう一つの選択肢にあったアンドロメダ座Z型星は将来Ia型超新星をおこすかもしれない変光星です。アンドロメダ座Z型星の光を調べてみると、高温の星雲と、低温の恒星といった、熱い天体と冷たい天体の両方の特徴が見られます。2つの特徴が共存していることから、共生という言葉が使われ、共生星と呼ばれています。共生星は、白色矮星と巨星からなる連星であることが知られており、Ia型超新星へと進化する候補天体として、現在注目されています。星は一つ一つ距離が離れていて、それぞれ特徴を持っており、様々な観測をすることで、新たなことがわかってきます。岡山理科大学で一緒に学んでみませんか?以上解説は、岡山理科大学の福田でした。
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