rfc特別企画 知って備える~春のクマ対策

27分

rfc特別企画 知って備える~春のクマ対策

「春のクマ対策に関する現状確認と対応方針の共有を目的に、福島大学 食農学類 望月翔太准教授の見解を中心に、福島県内の出没動向・原因・住民向け行動指針・行政の管理方針を整理」(1)現状と今後の見通し(春季の出没見通し)・冬季の出没は例年より多かった。・昨年、人里近い冬眠場所が増加。・冬眠中でも早期覚醒・穴の移動があり、目撃増に寄与。・3月末〜6月は出没多発の可能性。・昨年、捕獲数は全国・県内とも例年の約2倍で脅威は一定低下。・それでも人里に慣れた個体(アーバンベア)が残存し、再来訪リスク高。(2)春特有のリスク・空腹個体の活動活発化。・子連れ母グマの防衛行動により事故リスク上昇。(3)年間見通し・昨年は不作で、今年は実がつく見込みだが油断は禁物。・2年連続で出没が多い可能性は十分あるが、昨年ほどの水準には至らない見立て。(4)人間とクマの接近が増加する要因(接近増の背景)①人の圧力の低下・山に入る人や農作業者の減少、人口減により、人がいる気配・活動が希薄化。その結果、クマが人里に入りやすい環境が形成。②人里の餌資源の豊富さ・果樹(柿・栗・クルミ)、生ごみ、ペットフードなどにより学習・餌付けが進行。・一度「餌場」と認識されると居付き・再来訪のリスクが高まる。(5)地域の状況(福島県内の分布・移動傾向)・会津・中通りは確実に出没。・浜通りでも目撃増(大熊町・川俣町で捕獲実績)。・河川沿いは主要な移動経路の一つ。藪に身を隠しながら遡行・下行する行動特性。・河川敷の草刈り・藪刈りは有効(隠れ場の除去で市街地侵入を抑止)。(6)リスクプロファイル(年齢や行動特性に基づくリスク)①若年個体(約1歳半、体長約1m)・6〜7月に親離れし単独行動へ移行、目撃増が見込まれる。・好奇心旺盛で不用意に人前へ現れやすく、突発的な接触・突進リスク。②成獣・経験学習により慎重で、人を避ける行動を取りやすい(藪に隠れて静かに接近・回避)。忍者みたい。③子連れ母グマ・防衛反応が強く、至近距離遭遇時の危険度が高い。(7)住民向けの指導と予防対策(住民向け対策・行動指針)①誘因物の管理徹底(生活圏を「餌場」にしない)。②生ごみを屋外放置しない、収集日以外は出さない。③果樹の落果処理、柿・栗・クルミの管理。④ペットフードを屋外に置かない。(8)入山・農作業・散歩時の基本行動①複数人で行動(一人行動の事故が多発)する。②常時、音を出して存在を知らせる(会話・ラジオ・鈴)。③多くのクマは音で人を察知すると回避行動を取る。(9)目撃後の通報・施設対応・福島県内は110番通報が原則(発信位置に近いパトカーへ即時連携)。・車内は比較的安全。徒歩時は民家・建物など安全圏へ退避してから通報。・出没情報がある場合、施設(コンビニ、アリーナ等)は自動ドアを手動化して侵入抑止。(10)遭遇時の具体対応・遠距離遭遇: 走って逃げない、ゆっくり後退、無用な大声は避ける。・至近・不意遭遇: 頭部・頸部を防護して致命傷を回避。(11)忌避剤の有効性・一般的な忌避剤は一時的な驚愕効果に留まり、危険が伴わない変化には学習で慣れる可能性が高い(12)方針・管理の最新情報(行政の管理・方針)・県は毎年個体数調査を実施し、増減に応じて捕獲枠を調整。・現状、県内は増減ともに大きくなく「適正管理」状態との見立て。・負傷事案は年約20名程度。多くが一人行動・早朝帯で発生し、行動変容で大幅な抑制が可能。(13)線引き(レッドゾーン)の明確化・保育園・学校・病院等、重大事故に直結し得るエリアにおける出没は、接近段階での駆除等も含め自治体で明確な基準設定と運用が必要。(14)対策のまとめ①市町村・メディアのクマ目撃情報を毎日確認し、行動計画に反映する(即日〜継続)。②生ごみ・落果・ペットフード等の誘因物管理を徹底する(即日)。③春〜初夏の入山・農作業・散歩は複数人で行動し、会話・鈴・ラジオ等で常時音を出す(シーズン中)。④出没情報発生時は自動ドアを手動化するなど侵入防止措置を即時実施(発生当日)。⑤河川沿い・藪の刈払い等の対策を春〜夏に重点実施し、隠れ場を低減(継続)。⑥保育園・学校・病院等の周辺における対応基準(線引き)を明文化し、住民へ周知(今期中)。⑦110番初動の迅速対応体制を維持し、住民への周知を継続(継続)。⑧クマ対策情報とクマ目撃情報マップの更新・発信を継続(継続)。⑨遭遇したときは、首・頭を守る行動をとる。

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