#4『幸せのバトン』/モノを受け継ぐのではない。想いを受け継いでいく印鑑。

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#4『幸せのバトン』/モノを受け継ぐのではない。想いを受け継いでいく印鑑。

夕暮れのリビング。ランドセルを置いたばかりの息子に、父親が小さな箱を差し出しました。「これ、おじいちゃんからだよ」箱の中に入っていたのは、深い赤色をした一本の印鑑。新品ではありません。けれど、長い年月を重ねた石には、不思議なぬくもりがありました。実はこの印鑑、祖父が若いころから使い続けてきた大切な一本。就職、結婚、家を建てた日。人生の大切な場面には、いつもこの印鑑がありました。その祖父がある日、静かに言ったのです。「この印鑑な、新しく彫り直して、あの子に渡してやってくれんか」長年使われた石を磨き直し、そこに孫の名前を刻む。職人は、できるだけ元の風合いを残しながら、新しい命を吹き込みました。受け取った息子は、まだその意味をよくわかっていません。けれど父親は、印鑑を見つめながら思います。祖父が歩いてきた人生。家族を守り続けた時間。その想いが、この小さ

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