ハレまる。みっけ!ハレまる。みっけ!

ハレまる。みっけ!

FM岡山

岡山県内にある多くの企業は、積極的に従業員の子育てを考え、支援を行っています。 それぞれの企業・職種にあった従業員へ対しての取り組みをラジオで紹介。また、おかやま子育て応援宣言企業といった制度や、アドバンス企業といった岡山県が認定し、認定した企業の中から「おかやま子育てしやすい職場アワード」として、表彰を行っています。受賞企業の先進的な事例を交えながら、企業向けの子育て支援に関する補助制度や支援制度を紹介します。

詳細情報を見る

エピソード

岡山スイキュウ株式会社

岡山スイキュウ株式会社

物流×多角化×地域貢献:総合物流企業「岡山スイキュウ」の挑戦と仕組み1.岡山スイキュウの働き方企業概要と沿革岡山スイキュウ株式会社は、1955年に創業し、2025年に創業70周年を迎えた総合物流企業です。創業当時は専業輸送からスタートしましたが、時代のニーズ変化に合わせてチルド冷凍輸送へと事業領域を拡大してきました。現在では運送事業にとどまらず、倉庫事業や不動産事業など幅広い事業を展開する企業へと発展を遂げています。同社の物流事業は、食品をはじめとする多様な貨物輸送を担うとともに、常温・冷蔵・冷凍の「3温度帯」に対応した物流倉庫を自社で備えている点が大きな特徴です。商品の保管から入出庫、在庫管理、荷役までを一貫して引き受ける高度な運用体制を構築しています。拠点ネットワークは岡山県内を中心に、大阪、滋賀、静岡、千葉へと広がっており、地域と全国を結ぶ物流インフラの要として重要な役割を果たしています。 * 1955年:専業輸送会社として創業 * 展開期:時代の変化に合わせ、チルド冷凍輸送へ領域を拡大 * 多角化・構造化期:運送・3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)倉庫・不動産を軸とする総合物流企業へ発展 * 2025年(創業70周年):岡山から大阪・滋賀・静岡・千葉へと広がる広域拠点ネットワークを構築物流企業である岡山スイキュウがなぜ多様な事業を展開し、どのような仕組みで地域社会や自社の従業員に価値を還元しているのか。 1. 物流を核とした事業多角化 * 本業である物流(ノウハウ、車両、土地・建物)を強みとして活かし、どのように整備、不動産、農業、レンタカーなどの周辺事業へとエコシステムを広げているか。 2. 地域課題の解決 * 待機児童問題や交通安全問題など、地域社会が直面する課題に対して、一企業が本業の強みやリソースを使ってどのように貢献しているか。 3. 社内の働きやすさと雇用創出 * 男性主体のイメージが強い物流業界において、育児休業や社内保育園などの環境を整備し、男女問わず長く働ける職場をどう作っているか。💡 探究「なぜ、トラックでモノを運ぶ『物流会社』が、不動産や農業、さらには保育園の運営にまで事業を広げるのでしょうか?」単なる収益の拡大だけではない、本業との相乗効果(シナジー)や社会的価値の創出という視点から、そのメカニズムを紐解いていきましょう。2.物流を軸とした事業多角化の全体像グループ各社の事業展開一覧物流事業で培ったアセット(資産)やノウハウを多方面に転用することで、堅固なグループエコシステム(生態系)を形成しています。各社の具体的な事業内容と本業・地域とのつながりは以下の通りです。事業名 / 会社名 具体的な事業内容 本業(物流)や地域とのつながり・提供価値 岡山スイキュウ株式会社 (本社・不動産・保育事業) ・物流事業・不動産取扱(事業用・居住用) ・企業主導型保育園の運営(2箇所)食品をはじめとする多様な貨物輸送。物流で培った土地・建物の知識やネットワークを活用。従業員の仕事と子育ての両立支援および地域の待機児童問題解消に貢献。スイキュウ・モビティック株式会社 (グループ会社) ・軽自動車から大型トラック、特殊車両、フォークリフトの車検・点検・整備・板金塗装 ・トラック仮装、冷凍機の保

16分

岡山県信用保証協会

岡山県信用保証協会

職場と家庭を笑顔でつなぐ!企業の「育児・仕事両立支援制度」1.なぜ今、企業で「子育て支援」が必要なのか?時代の変化と職場の現状多くの企業において、働く環境や職員の年齢構成は大きく変化しています。岡山県内で中小企業の金融支援にとどまらず、中小企業診断士等の専門家派遣やテストマーケティング支援など、事業者の課題解決に深く伴走している「岡山県信用保証協会」。地域経済を支える同協会でも、近年職員の若返りが急速に進んでおり、20代の若手職員が全体の約30%を占める状況となっています。事業者の発展に寄り添う組織だからこそ、「働く環境」を整えることの重要性が高まっています。 * 「人財」を生かすための基盤整備 企業の基本理念を実現するための原動力は、現場で働く職員一人ひとりです。 職員を単なる労働力ではなく「最も重要な財産(人財)」と捉え、持てる能力を存分に発揮できる職場環境を構築することが経営の最重要課題となっています。 * 「福利厚生」を超えた戦略的価値 子育て支援制度は、単に休みを提供する「福利厚生」にとどまりません。 職員とその家族の身体的・精神的・社会的健康を維持・増進し、生活(家庭)との調和を図ることで、組織全体の生産性やエンゲージメントを高める重要な戦略的取り組みです。💡 ここがポイント!「人手不足だから休ませられない」と考えがちですが、順序は逆です。「安心して休める環境があるからこそ、優秀な人財が集まり、定着し、力を発揮できる」という好循環の思想にシフトすることがスタートラインとなります。子育て支援がもたらす「両者」のメリット両立支援制度の充実は、働く職員個人だけでなく、それを受け入れる組織・企業側にも大きなメリットをもたらします。区分 主なメリット 職員側のメリット (安心して働ける) ・家庭と仕事の調和 子どもの成長や学校行事に無理なく関わりながら、キャリアを中断せずに働き続けられる。・突発的リスクへの安心感 急な発熱や短時間の学校用事でも、有給休暇を減らさずに専用の制度で柔軟に対応できる。 組織・企業側のメリット (能力発揮と組織力向上)・優秀な「人財」の定着と発揮 離職を防ぎ、蓄積されたノウハウを持つ職員が本来のパフォーマンスを発揮できる。 ・健康経営と活力の維持職員とその家族の心身の健康が保たれ、職場のモチベーションと生産性が向上する。 ・エンゲージメントの向上「会社から大切にされている」という実感から、組織への愛着が高まる。 ・支え合う組織風土の醸成互いにカバーし合うチームワークが生まれ、多様な働き方を許容する強い組織が作られる。 では、実際にどのような制度があり、どのように進化しているのか、具体的な仕組みを見ていきましょう。2.実例で見る!使いやすく進化する「子の看護休暇」と「特別休暇」の仕組み「子の看護休暇」の対象範囲と拡大された取得理由岡山県信用保証協会では、法律で定められた基準(未就学児まで)を大きく上回り、「小学校を卒業するまで(小学校卒業まで)」のお子さんを持つ職員が利用できる制度設計となっています。さらに、以前は「病気の看病」に限られていた取得理由を、「子の終園・修学に必要な行事全般」や「障害福祉サービス利用」などにまで段階的に拡大。現場のニーズに即した進化を遂げています。総務課の課長自身も、「昨年度は長女の卒業式に出席するために取得し、今年度も次女の個人懇談に参加するためにこの休暇を利用した」と語ります。男性管理職が自ら積極的に活用している点も、制度の実効性を物語っています。制度の進化(新旧比較) 比較項目 従来のイメージ(病気対応のみ) 実際の最新利用理由(岡山県信用保証協会の事例)

12分

フジワラテクノアート株式会社

フジワラテクノアート株式会社

株式会社フジワラテクノアートに学ぶ、これからの「働きがい」と「技術革新」地方の製造業=人手不足というイメージを覆し、キャリア採用枠5名に対し800名(倍率160倍)の応募を集めた岡山県の醸造機械・バイオ関連機器メーカー「株式会社フジワラテクノアート」。創業93年を迎える同社に全国の優秀な人材が惹きつけられる理由を解明します。圧倒的な技術力を背景とした「価値共創型ビジネス」単に既製品を売る機械メーカーに留まらず、顧客の課題や潜在的な思いまで汲み取り、研究開発から設備化、プラント建設、導入後の安定稼働まで伴走する「価値共創型」のビジネスモデルを確立しています。案件ごとに異なる要件に応じ、フルオーダーメイドの設備を提供しています。・高い市場支配力:醤油、味噌、日本酒、焼酎などの醸造生産設備において国内トップクラスのシェア(80%以上)を誇り、世界27カ国へプラントを輸出。日本サービス大賞「優秀賞」の評価ポイント・確信を生むフルオーダーメイド:顧客とのチャレンジングな価値共創によって次なる技術革新を起こし、日本の食文化や技術のグローバル化に貢献。・強固な信頼関係:真摯に向き合い、期待以上の提案と生産現場の構築を行うことで満足感を高め、次の期待形成へとつなげている。・高い競争力の持続:製麹(せいぎく)能力において80%という高い競争力を維持。DXや充実した福利厚生も好評で、採用倍率160倍(5名枠に800名応募)など地域活性化にも貢献。社員の「心のゆとり」を生み出す環境作りと手厚い支援令和6年度「おかやま子育てしやすい職場アワード」を受賞。約60個の福利厚生制度をはじめ、多様な施策を展開しています。1. 岡山県助成金を活用した「家事支援サービス」の導入項目内容・工夫利用ルール利用時間は1人あたり「1回2時間」。利用者が用意した食材で「多種類の料理の作り置き」を行うスタイルなどを確立。掃除の選択も可能。安心感の確保「見知らぬ人が自宅に入る」抵抗感を減らすため、提供業者は自社とお取引のある業者に限定。事務負担の軽減利用時の時間交渉や価格調整などのやり取りは、すべてコーポレートコミュニケーション部(土井氏)が窓口として一括対応。施策の真意

12分

子育てと仕事を両立できる働きやすい職場環境づくりに向けて

子育てと仕事を両立できる働きやすい職場環境づくりに向けて

子育て支援がもたらす 企業のいい循環現代のビジネスパーソンにとって、「仕事と育児の両立」は綺麗事だけでは済まない切実な課題です。「急な休みでチームに迷惑をかけてしまうのではないか」という罪悪感や、「休みを取ることで自分のキャリアが止まってしまうのではないか」という焦燥感。アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)の心理に深く苦しんでいます。しかし今、この「休み」や「子育て」に対する価値観が、劇的にアップデートされようとしています。岡山県内の企業経営者・従業員、そして、伊原木知事がとの対談「知事と一緒に生き生きトーク」では、子育て支援を単なる「福利厚生」や「負担」ではなく、企業の生産性やレジリエンス(回復力・強靭性)を根本から向上させる「攻めの経営戦略」として捉え直す、深い洞察が交わされました。現場の生の声から見えてきた、持続可能な組織づくりの本質を紐解いていきます。1. チーム力強化がもたらす「労働時間減・売上増」の逆転現象――備商株式会社の事例にみる、残業時間を減らす試み「子育て支援に力を入れたいのはやまやだが、人手が足りなくなって業績が下がってしまうのではないか」――。多くの経営者が抱くこの直感的な懸念を、覆したのが岡山県内の企業「備商株式会社」の事例です。同社が取り組んだのは、驚くべき逆転現象でした。「チームで結果を出せるような仕組みに変えたら、残業時間が減ることに対し、売上がむしろ伸びを示した」チーム全体で結果を出す柔軟な体制の構築は、もはや単なる「配慮」ではなく、企業の収益性を高めるための極めて合理的な経営判断なのです。また、子育て世代の従業員が、「育休」を取得する際に、「育休代替支援手当」を導入。育休代替支援手当:育児休業を取得する社員の業務をカバー・サポートする周囲の社員へ手当を支給し、職場全体で支え合う環境を構築。育休を取得する従業員のチームに対して、欠員が出る分、手当を支給するといった内容で「休んでも大丈夫だよ!」などの声がけがもらえ、チームとしても働きやすくなった。また、復帰もしやすい環境となり今回の対談でも、導入したい!などの声も上がった制度であった。2. 「子育て視点」は最強のマーケティング・ツールになる――岡山放送株式会社の事例にみる、新たなOSの獲得岡山放送株式会社の事例からは、子育てを「仕事の中断期間」や「ブランク」として捉えるのではなく、ビジネスパーソンとしての「新たなOS(視点)の獲得」として捉え直す重要性が浮かび上がります。育児休業の取得や、日々の子育ての当事者になることは、社会の縮図であるマーケットの現実に深く入り込むことを意味します。番組制作や企画の現場において、子育て中の従業員が日々の生活の中で抱く「ここを何とかしてほしい」「こうなればもっと楽になるのに」という切実な実感は、そのまま地域社会のリアルな課題発見や、消費者のインサイト(深層心理)へと直結します。子育ての経験を通じて得られる「当事者としての解像度」は、マーケットに深く刺さるコンテンツやサービスを生み出す最強のマーケティング・ツールとなります。育児というライフイベントは、従業員の職業能力をアップデートし、ビジネスパーソンとして一段上の視座をもたらす貴重な機会に他なりません。3. 制度があっても消えない「心のブレーキ」の正体――働く側の葛藤と、経営者に求められる「質の高い配慮」一方で、どれほど整った制度やインフラがあったとしても、それだけで現場の課題がすべて解決されるわけではありません。対談では、実際に働く側が抱えている「心のブレーキ」の正体についても赤裸々に語られました。「休めるけれど、周囲に申し訳ない」:真面目な従業員ほど、周囲のメンバーへの負担を気に病み、権利を行使することに強い心理的ハードルを感じてしまう。「配慮が、キャリアの機会損失にならないか」:時短勤務や業務の軽減といった支援が、かえって重要な業務の割り当てや昇進の機会を遠ざけてしまうのではないかという恐れ。これに対し、伊原木知事は非常に本質的な指摘を投げかけています。「真面目で一生懸命な従業員ほど、単に『楽をしたい』から休むわけではない。そのもどかしさに寄り添う必要がある」経営側やリーダーに求められるのは、単に「休みやすい空気を作る」という形式的な対応に留まりません。従業員の成長や挑戦の機会を損なわない、きめ細やかで「質の高い配慮」の設計こそが問われています。個人のキャリア形成を諦めさせない仕組みづくりこそが、結果として企業の高い定着率と求心力につながっていくのです。4. 中小企業の武器は「柔軟性」――オサカダツール株式会社にみる、多能工化と組織の哲学製造業を営む「オサカダツール株式会社」では、高度で熟練した技術が必要とされる現場でありながら、令和4年度(2022年)に開催された「第7回美作市男女共同参画推進者表彰」を受賞。全従業員対象に社内研修を実施し、コミュニケーションの活性化に努め、一人ひとりの家庭事情に柔軟に対応。「多能工化(マルチスキル化)」と日々の「対話」を軸にした現場改革を進めています。製造現場における属人化の解消は、一朝一夕で成し遂げられるものではありません。しかし、大企業に比べて組織規模の小さい中小企業だからこそ、経営トップと現場の距離が近く、信頼関係をベースにした迅速な意思決定が可能になります。ボトムアップで「現場から本当に必要な制度を、形にしていく」。その機動力と柔軟性こそが、中小企業最大の武器となります。5.「家では母親・父親の代わりはいないが、会社にはチームがいる」家庭という「代えのきかない大切な場所」を守るために、企業側は「お互いに代わりが務まるチーム」として機能しなければならない。相互バックアップ体制の構築は、働く従業員に深い安心感を生み出すだけでなく、予期せぬ事態に対する企業の災害対応力や事業継続計画(BCP)の強化にも直結します。子育て世代だけではなく、「家庭での時間が本番」といった日もある。この負担をどのように軽減するのか?または、岡山県・市区町村で対応することであるのか?現在、岡山県では仕事と家庭の両立支援に積極的に取り組む企業を「アドバンス企業」として認定しています。求職者や学生が「働く環境として信頼できる企業」を見極められる指標となっています。専用のポータルサイトでも各企業の具体的な取り組みが広く公開されており、社会全体でこの新しい働き方の流れを加速させるインフラが整いつつあります。組織(あるいは、チーム)は、「誰かの人生を犠牲にして成長する場所」でしょうか。それとも、「お互いの人生を尊重し合うことで、共に持続的な成長を遂げられる場所」でしょうか。働きやすい職場環境を進める企業と岡山県にずっと住み続ける環境をつくる県政。双方で考えていかなければならない課題であることを再認識した対談となりました。

10分

インターシップ&企業体験説明会 in ノートルダム清心女子大学 パート②

インターシップ&企業体験説明会 in ノートルダム清心女子大学 パート②

インターシップ&企業体験説明会 in ノートルダム清心女子大学 パート①ハレまる。みっけ!特別レポート:岡山「アドバンス企業」に学ぶ、本当の働きやすさの正体就職や転職を考える際、多くの人が「福利厚生」の項目に目を通します。しかし、求人票に並ぶ制度名だけで、実際の職場環境を見抜くことは非常に難しいところです。「育休あり」という文字の裏側に、実際に休みを取れる空気感はあるのか。制度は単なる「飾り」ではなく、個人のライフスタイルに寄り添う「環境」を持っているのか。いま、働く人々には制度の「中身」が強く求められています。岡山の労働市場で、仕事と生活の「相乗効果」を生み出しているアドバンス企業。その中から、地域を支える4社の驚きの実態と、「温かな空気感」を紐解きます。1. 天満屋:百貨店の常識を変える「30分刻みの短時間勤務」と充実の連休地域の生活文化を支える柱として197年の歴史を刻んできた老舗百貨店・天満屋。伝統を重んじる同社ですが、その両立支援の制度設計は極めて先鋭的です。子育て世代の支援として、子どもが小学6年生を修了するまで短時間勤務の選択が可能であり、勤務時間は4.5時間から7.5時間まで「30分刻みの6パターン」から選択できる緻密な設計となっています。さらに、半期ごとに8連休が取得できる連休制度や、全営業日・時間に対応する岡山本店内の企業内保育園「天満屋保育園」の設置など、接客の最前線で働く社員の体調やライフスタイルに寄り添う環境が整っています。老舗企業が伝統に甘んじることなく、ここまで現代的なニーズに踏み込む。その姿勢が社員に与える安心感こそが、老舗が次の100年も愛され続けるための原動力となっています。2. 中国銀行:育休取得率「男女ともに100%」がもたらす圧倒的な安心感地域の金融インフラを担う中国銀行。制度が形骸化していないかを見極める指標として同社が示す数字には、圧倒的な説得力があります。育児休暇取得率は男女ともに100%を達成。さらに、不妊治療と仕事の両立支援などが高く評価され、岡山県内初となる「プラチナくるみんプラス」認定を取得しています。スーパーフレックスタイム制度など、日常の微細な調整を可能にする仕組みを整えることで、「100%」。現場の文化として定着させています。保守的と思われがちな金融分野でこれほどの数値が実現されている事実は、組織全体の心理的安全性の高さを物語っています。3. 片山工業:「お孫さん」まで面倒見ます!?究極の思いやり井原市に拠点を置き、自動車部品や福祉機器製造で地域経済を支える片山工業。同社の取組を象徴するのが、事業所内保育所「おもいやり保育園」です。特筆すべきは、その利用対象の圧倒的な広さです。一般的な企業内保育所は「社員の子ども」を対象としますが、同社ではなんと「お孫さん」の預かりまで認めています。なぜ「孫」まで対象とするのか。ここには多世代が共存する職場作りへの深い洞察があります。子育て世代の支援はもちろん、その親世代である熟練社員が「孫の世話」を理由に離職したり、キャリアを断念したりする必要がない環境を整えているのです。さらに産前産後休暇中の手当100%支給など、現場の声を吸い上げる文化から生まれた「実効性のある優しさ」がそこにあります。4. タカヤ:入社初日からの有休と、譲れない「100%」の実績ITとモノづくりを融合させるタカヤが示す数字にも、圧倒的な本気度が表れています。女性の育児休業取得率・復帰率ともに「100%」を継続。そして何より特筆すべきは、「入社初日から有給休暇が取得可能」という破格の制度です。通常は半年程度の継続勤務が必要とされる中、この「Day 1」からのサポートは、環境の変化に不安を感じる新入社員にとって最大の安心材料となります。1時間単位の有休取得など、社員が「自分らしく、しなやかに働く」ための選択肢が日常のなかにしっかりと組み込まれています。実際にアドバンス企業の取り組みを聞いた学生たちの反応に、私は現代のキャリア観の本質を見ました。ある学生は「これまでは『やりたいこと』だけを軸にしていたが、それを支える『健康と時間という土台』の重要性に気づいた」と語っています。やりがいを追求するためには、心身が健やかであるための「基盤」が不可欠である——。学生たちは、企業の具体的な支援策を聞くことで、この現実的な事実に目覚め始めています。ノートルダム精神女子大学キャリアサポートセンターの担当者は、学生の心理をこう分析します。「学生がそれぞれの観点で『安心できる材料』を探している。全ての要望を揃えるのは難しいが、1点だけでもアピールできる制度があれば、それが印象に残りやすい」企業側が用意する「温かな支援の形」は、単なる条件の提示ではありません。それは「この会社は、私の人生の変化を一緒に乗り越えてくれるパートナーか?」という問いに対する、企業からの誠実な回答なのです。「心強い」職場の条件とは今回紹介した企業に共通しているのは、制度を完成形と見なさず、社員との絶え間ない「対話」によってアップデートし続けている点です。「孫の預かり」も、「30分刻みの時短勤務」も、「育休100%」も、「初日からの有休」も。それらはすべて、働く現場の切実な声や欲求に耳を傾け、試行錯誤した結果として生まれたものです。アドバンス企業という認定の価値は、人を大切にする企業の「姿勢」にあります。あなたにとって、本当に「心強い」と思える職場の条件は何ですか?共に形を変えていける「対話の余地」がある場所。そんな職場の空気感の中にこそ、豊かな人生のヒントが隠されているはずです。

20分

インターシップ&企業体験説明会 in ノートルダム清心女子大学 パート①

インターシップ&企業体験説明会 in ノートルダム清心女子大学 パート①

岡山県認定の従業員の仕事と家庭の両立支援に積極的な企業アドバンス企業8社による「インターシップ&仕事体験説明会」in ノートルダム清心女子大学現地取材にて参加した企業の取組紹介と学生のインタビューを2回に渡ってお届けします。孫休暇からソフトクリーム、心理的安全性の追求まで。岡山「アドバンス企業」に学ぶ、心の豊かさを手放さない働き方就職や転職を考える際、多くの人が「福利厚生」の項目に目を通します。しかし、求人票に並ぶ制度名だけで、実際の職場環境を見抜くことは非常に難しいところ。「育休あり」という文字の裏側に、実際に休みを取れる空気感はあるのか。制度は単なる「飾り」ではなく、個人のライフスタイルに寄り添う「環境」を持っているのか。制度の「中身」、現代の働く人々には求められています。ノートルダム清心女子大学で開催された「インターンシップ&仕事体験説明会」のイベントを取材しました。会場に集まったのは、岡山県が認定する「アドバンス企業」。従業員の仕事と家庭の両立支援に取り組む企業では、単なる「休みやすさ」の先にある先進的な「ワークライフ・インテグレーション(仕事と生活の統合)「相乗効果」」の実態が見えてきました。時間的な柔軟性と肉体的なウェルビーイング。それらを土台に、より長期的な視点で社員を支えているのが、ブルーシートや産業機械のメーカーとして世界に挑む萩原工業株式会社です。多くの企業が育児短時間勤務を「小学校入学前まで」と区切る中、同社は「子育て世代意見交換会」で出た社員の声をもとに「小学校卒業まで」と大幅に延長しました。家庭の事情でキャリアを断念せざるを得ない人材を、長期にわたる支援で守り抜く。この姿勢は数字にも表れており、女性の入社比率30%以上を目指す採用戦略とともに、係長や課長といった役職に就く女性が着実に増加しています。また、企業主導型保育施設の運営や延長保育料の無料化、職場復帰しやすい環境を整えています。時間単位有休や時差出勤制度といったハード面の支援に加え、子の看護等休暇の有給化など、子どもの送迎や急な予定にも対応しやすい。社内報で男性の育児休業取得者を特集するなど、心理的な壁を取り払う地道な努力も続いています。ライフステージの「一瞬」を切り取るのではなく、「継続」を前提としたサポートこそが、働く方たちのキャリアを管理職という高みへと繋げているのです。五感を満たすリフレッシュ:工場から生まれる「質の高いリフレッシュ」勤務時間中の「質の高いリフレッシュ」に注力しているのが、学校制服や介護服などを手がける株式会社明石スクールユニフォームカンパニーです。同社の本社敷地内には、トレーニングマシンや卓球台、さらにはマッサージチェアやシャワー室まで完備されたスポーツジムがあり、ヨガ教室なども定期開催されています。広く明るく開放的な社員食堂には、地元洋食店が提供する本格的なコーヒーの香りと、北海道の有名店から取り寄せた濃厚なソフトクリーム。工場の無機質なイメージを鮮やかに塗り替える、五感を満たす提供。集中力を維持するためのウェルビーイング投資です。また、「TES(繊維製品品質管理士)」や「ジーンズソムリエ」、「衛生管理者」といった資格取得の受験費用を会社が負担し、合格時には祝金を支給しています。会社が個人の学びを後押しする姿勢は、単なるスキルアップを超え、社員一人ひとりの「人生の彩り」を尊重する文化の表れです。子育てしやすい職場環境づくりでは、育児短時間勤務制度、産前・産後休業、育児休業、子の看護等休暇活用の推奨を行っています。育児短時間勤務制度は、原則として小学校就学まで、勤務時間を1日6時間に短縮できる制度を導入しています。家族の形をアップデートする:IT企業が仕掛ける「孫育て」と「脱・属人化」ITソリューションの最前線を走る株式会社システムズナカシマ「パパ育休・孫育て休暇」。これは子どもが1歳になるまでの間に2日間の「パパ育休」に加え、孫が1歳になるまでの間に1日間の「孫育て休暇」を取得できるというものです。これは単なるユニークな試みではありません。「子育てはママだけの問題ではなく、家族みんなで育てる」という企業理念に基づく戦略的なメッセージです。さらに、15分単位の有休取得や8つの時間帯から選べるシフト制といった柔軟な時間管理を導入していますが、それを可能にしているのは「業務が属人化しない体制作り」への注力です。不測の事態が起きてもチームでカバーできる仕組みを全社的に構築することで、制度の形骸化を防いでいます。また、永年勤続表彰では旅行カードや特別有給休暇(リフレッシュ休暇)、自己啓発支援金が贈られるなど、長期的なキャリア形成への敬意も忘れていません。「いくら良い制度や仕組みが整っていても、実際に活用されていなければ本当の価値は見えません。調べるだけでは現場の実態までは分からないことも多いです。だからこそ、実際に働く人の声を聞くことが大切です」(システムズナカシマ・德田氏)同社の育休取得率と復職率がともに100%であり、復職後も元の部署や役職に戻れるという実績は、この「活用されてこそ制度」という結果につながっています。数字の向こう側にある「空気感」:学生が見抜いた本質イベントで学生たちの素直な反応に触れ、私は「働きやすさ」の正体を改めて考えたところ。育児休業後に職場復帰した社員へのサポートが手厚いおかやま信用金庫同社では、女性だけでなく、男性の育児休業取得を推奨。育児短時間勤務制度、子の看護等休暇については法令を上回る手厚いサポート制度を導入しています。制度を受けた、あるいは取得している方からは、上司や先輩、同僚から支えられることは多いので、その分 、限られた時間で精一杯仕事に励もうと意識されているそうです。また、月末などの繁忙日は残業することもありますが、「時間過ぎてるよ。大丈夫?」と周囲が声掛けをしてくれます。女性は ライフステージによって働き方が変化していきますが、支店全体で一体感があり 、長く働きやすい職場環境だと思います。学生から意見として今回の説明会に限らず!「座談会などで、自分が喋る前に上司の顔色を伺っているような会社は働きにくいと感じる。」学生が語ったこの言葉は、非常に参考になる内容だと思います。顔色を伺わずに自分の意見を言える環境や温かいコミュニケーションこそが、どんな制度よりも求められている。ともいえるかもしれません。また、「岡山でずっと働き続けたい」この思いは就職した企業で、ライフステージが変わっていく中でも、復帰できる環境が整っているというのは、採用面からしても、長く勤めてほしい企業からも、考えていく必要がある内容です。「心強い」職場の条件とは今回紹介した岡山のアドバンス企業の取り組みに共通しているのは、制度を完成形と見なさず、社員との絶え間ない「対話」によってアップデートし続けている点です。「パパ育休・孫育て休暇」も、時短勤務の期間延長も、社内ジムやリフレッシュ環境も。それらはすべて、働く現場の切実な声や欲求に耳を傾け、試行錯誤した結果として生まれたこと。アドバンス企業という認定の価値は、人を大切にすること企業。その「姿勢」にあります。あなたにとって、本当に「心強い」と思える職場の条件は何ですか?共に形を変えていける「対話の余地」がある場所。そんな職場の空気感の中にこそ、あなたらしい豊かな人生のヒントが隠されているはずです。

16分

あきた労務管理事務所

あきた労務管理事務所

1.人材の定着率を分ける社労士目線での「意外な共通点」現代の採用市場において、「ホワイト企業」はもはや当たり前。しかし、求人票に魅力的な条件を並べても、早期離職を招くケースは後を執りません。 * 新卒者の本音: 「ホワイトだと思って入ったのに、直属の上司に相談しにくい」「現場の空気が重い」 * 本質的な課題: 制度の形骸化と実態のギャップ、つまり「入社後のミスマッチ」29年のキャリアを持つ社会保険労務士・穐田恒雄氏は、数多くの企業の浮沈を見てきた経験から、高い定着率を誇る職場には「制度の運用」と「人間関係」にまつわる意外な共通点があると説きます。2.「育休=迷惑」を「感謝」に変える「フォロー手当」育休の取得が進まない最大の要因は、残されたメンバーへの業務負荷と、そこから生じる「気まずさ」です。この問題を構造的に解決しているのが、「岡山子育てしやすい職場アワード」受賞企業などに見られる「フォロー手当」の仕組みです。【仕組みの解説】5人の部署で1人が育休を取得した場合、会社側は浮いたコスト(給与や社会保険料など)の何割かを、業務負荷が増える残りの4人に「手当」として還元します。【不満をメリットに転換】「ゆっくり休んでよ。私らちょっと給料増えるから」制度の不備を現場に押し付けず、仕組みによって周囲からこの言葉が自然に掛けられる環境を作ります。育休を「周囲への迷惑」から「周囲への貢献」へと変える、組織文化の劇的な改善アプローチです。3.10万円の補助金と「一通の感想文」が、人間関係を修復する同じくアワードで高く評価されたのが、金銭的支援と心理的ケアを融合させたユニークな取り組みです。育休取得者に「出産補助金」として10万円を支給する際、ある企業はユニークな「条件」を課しています。 * 課された条件: 「残ったメンバーへの感謝を綴った感想文を提出すること」単に現金を給付するだけでなく、あえて言葉による「感謝の見える化」を求める。これにより、休む側の罪悪感を払拭し、送り出す側も「サポートが正当に認められている」と実感できます。経営者が「職場の人間関係こそが最大の資産である」という思想を具現化したカタチです。4.働き方改革の「次」:育休の取りやすさが企業の命運を握る2019年からの働き方改革により、休日数の増加や残業削減は今やどの企業も主張するようになりました。穐田氏は「求人票で休日数を謳っても、もはやインパクトがない」と指摘します。現在、若い世代が最も注視しているのは「育児休業の取りやすさ」です。これからの企業が目指すべき指針として、同アワードでも重視される「5つの客観的視点」が挙げられます。視点 目指すべき指針 他事業者へのお手本 他社が模倣できる先駆的なモデルであるか 先進性・独創性 独自の工夫や新しい視点があるか 継続性・実行性一過性ではなく、文化として定着しているか 気運醸成への貢献

14分

株式会社第一エージェンシー 子育て応援サイト「かぞくと」

株式会社第一エージェンシー 子育て応援サイト「かぞくと」

岡山の企業に学ぶ、子育てと仕事を両立させるヒントを掲載「かぞくと」仕事、育児、そして家事。これらすべてを完璧にこなそうと奔走しながら、孤独感や将来への不安を抱える現役世代は少なくありません。「両立」はもはや個人の努力だけで解決できるフェーズを過ぎ、企業がいかにして「持続可能な働き方」をできるかという経営課題へとシフトしています 。こうした中、岡山県で「アイデアが子育てのミライを変えていく。」というコンセプトのもと、企業の等身大の取り組みを発信しているプラットフォームが注目を集めています。運営するのは、単なる広告代理店ではなく、クライアントの課題解決を追求する「マーケティングサポート企業」である株式会社第一エージェンシー。同社が運営する子育て応援サイト「かぞくと」の編集長のお話を交えながら、働き方のヒントを伺います。1. 制度の背景にある「リアルな声」を届けるプラットフォーム「かぞくと」「かぞくと」は、単なる企業紹介に留まらない、メディアとしての強いこだわりが伝わってきます 。「かぞくと」は、子育てと仕事の両立を支えるリアルな取り組みやアイデアを発信するプラットフォーム。制度の概要を右から左へ紹介するのではなく、「実際にその制度を使った社員の等身大の体験談」や、「導入のきっかけ、当時の苦労や工夫」といった背景まで丁寧に取材しています。伝わる雰囲気:プロのカメラマンが撮影した写真と共に紹介することで、社員の人柄や会社の空気感を可視化 。サポーター企業:従業員の家事・育児・仕事の両立支援に本気で取り組み、多様な働き方を導入している県内企業を「かぞくとサポーター」として紹介 。掲載料は無料:地元企業が参加しやすいよう、掲載にかかる費用は一切なし。現在すでに30件以上の事例が集まっています 。2. 立ち上げのきっかけ:「アイデアが子育ての未来を変えていく」「かぞくと」のプロジェクトは、第一エージェンシー自社の「共働き子育て世帯の社員が抱える悩み」に目を向けたことから始まりました 。【編集長の想い】「地元を盛り上げたい、ワクワクする社会を作りたいという創業時からの思いがあります。今の岡山の課題を考えたとき、両立に悩むママ・パパの存在に改めて目を向けました。少子化の原因の一つとされる『子育てのハードル』を少しでも下げたい。一社の工夫やアイデアを地域で共有していくことで、岡山全体が働きやすく暮らしやすい環境に変わっていくはずです」

14分

株式会社ジェイテック 岡山オフィス

株式会社ジェイテック 岡山オフィス

令和7年度 岡山子育て応援宣言企業 県知事賞 受賞株式会社ジェイテック 岡山オフィス──「ヒトを想う、テクノロジー」が作る、当たり前に休める職場風土「納期が絶対」とされるシステム開発業界において、2年連続・男女ともに育休取得率100%を達成。わずか1名から105名へと急成長を遂げたジェイテック岡山オフィスの強みと、先進的な取り組みの要点をご紹介します。① 納期よりも「本人の希望」を優先する組織のコミットメント営業が現場の盾になる: エンジニアが育休を希望した際、営業担当者が直接クライアントとスケジュール交渉を行い、希望通りの期間を提示。属人化の徹底排除: 特定の個人に依存しないチーム体制を構築し、業務の再配分を組織的に行うことで、引き継ぎの不安を解消しています。入社1年未満でも取得可能: 従業員の事例では、採用面接時に「子どもが生まれる予定」であることを歓迎して内定を出し、入社1年未満でのスムーズな育休取得を実現しました。② 不安を安心に変える「情報の可視化」と「現場発のアップデート」「制度はあっても使いにくい」という障壁を壊すために取った策は、情報の徹底的な透明化です。育休特設ページの開設: 社員専用サイトで、具体的な申請方法だけでなく「平均取得日数」といったリアルな実績値まで完全公開。入社初日からのマインドセット: 新入社員研修に専門の枠を設け、実績や相談先を丁寧にレクチャーします。小学校入学まで使える「時短勤務制度」: 国の基準(3歳まで)に対する現場の不安を吸い上げ、小学校入学まで使えるよう制度を延長。ボトムアップの「半休制度」: 2025年に開催した社員参加型の「働き方コンペ」で選ばれたアイデアから、半日単位の有休取得制度を新設。サポート: 総務側から「有給の残り日数」を個別にアナウンスし、会社が社員を先回り型の支援を徹底。③ 福利厚生を「投資」と捉えるエンターテインメント性高いエンゲージメント: 「働きがい認定」を連続取得。住宅手当や資産形成支援といった生活基盤の強化だけでなく、離れて働くエンジニアの一体感を醸成する全社参加の「大抽選会」などを実施。【オフィス長より今後の展望】「特別な制度があるからではなく、社員一人ひとりが自然に助け合う『文化』を今後も大切にしていきたいです。岡山県における仕事と子育ての両立モデルとしてさらなる成長を目指し、共に働く新たな仲間や、環境作りに取り組みたい企業様からのお声がけをお待ちしております。」ジェイテック岡山オフィスの事例では、素晴らしい制度があるから人が輝くのではなく、人を尊重する文化があるから制度が機能する。「ヒトを想う、テクノロジー」は、「助け合うことが当たり前」という、職場の空気感そのものがビジネスモデルとなっています。

10分

岡山県 子ども福祉部 子ども未来課 少子化対策班と縁むすび応援室からのお知らせ

岡山県 子ども福祉部 子ども未来課 少子化対策班と縁むすび応援室からのお知らせ

岡山県における子育て・結婚支援制度の活用ガイド岡山県で「選ばれる会社」になるための工夫人口が減り、高齢化が進む今の時代、岡山県内の中小企業にとって、優秀な人を集めて長く働いてもらうことは、大切なテーマです。自治体の支援制度を「単なる補助金」として使うだけでなく、使いこなす視点です。従業員が「この会社で働けてよかった」と思える環境づくりは、人が集まる会社になるための大切です。働きやすい職場になれば、途中で辞める人が減り、育児休業から戻ってくる社員も増えます。せっかく育てた社員が辞めてしまう「採用・教育コストの損」をなくすことが、一番効率の良い利益につながります。岡山県が実施している便利な制度を、会社のイメージアップと採用力アップにどう結びつけるか、ポッドキャスト音声を聴きながら記事を読んでいただければと思います。企業向けポータルサイト「ハレまる」の賢い使い方サイトはこちら!ハレまる会社を良くしていくためには、まわりの会社がどんな取り組みをしているかを知ることが大切です。岡山県が運営している企業向けのポータルサイト「ハレまる」。ただの情報収集ではなく、他社の動きを分析するためのツールとして使いましょう。「ハレまる」で何がわかる?他社の成功ルール:県内の進んだ取り組みや表彰された会社を見て、自分の会社でも真似できるアイデアを探せます。また、制度を取り入れるための助成金や、無料のセミナー情報をすぐに見つけることができます。「ハレまる」の検索機能を使えば、自分と同じ地域の会社や、同じくらいの規模の会社が「どれくらい男性の育休を進めているか」「どんな働きやすさのルールを作っているか」がピンポイントで分かります。戦略のヒント:会社の条件をチェックし、自社で制度を取り込むことで、仕事を探している人(求職者)に「この会社のほうが働きやすそうだ」と強烈にアピールできます。おかやま子育て応援宣言企業から「アドバンス企業」へのステップアップ「うちは働きやすい会社です」と口で言うだけでなく、公的なお墨付きをもらうことで、就職活動中の学生や地域からの信頼は変わります。岡山県には、会社の取り組みレベルに合わせた2つのステップが用意されています。2つの制度の違い・岡山子育て応援宣言企業(ステップ1)どんな制度?「これから子育てを応援します」という約束を世間に伝えるもの必要な行動独自の応援宣言(例:育休を取りやすくします等)を登録する安心の証明いつでも登録可能もらえるメリット専用のロゴマークが使える・アドバンス企業(ステップ2・上位認定)どんな制度?実際に素晴らしい取り組みをしていると県が認めたもの必要な行動労働時間のルールを守る、具体的な計画を立てて実行するなど安心の証明5年ごとの更新制(きちんと続けているかチェックが入る)もらえるメリット・銀行でお金を借りるときに金利が安くなる・特別なロゴマークで他社と差別化できる・ハローワークの求人票でアピールできる特に、上位の「アドバンス企業」にある5年ごとの更新ルールは、「一瞬だけ頑張った会社」ではなく「ずっと良い環境をキープしている安心な会社」という確かな証明になります。安定して長く働きたい若い世代にとって、このマークがあるかどうかは会社を選ぶ大きな目印になります。使える制度はしっかり使う:社内を変えるための2つの助成金新しいルールや環境を作るため、岡山県は支援を用意しています。これらは単なるコストの穴埋めではなく、会社をより良くための制度だと考えてください。①子育てしやすい職場環境助成金(環境づくりのためのお金)サポート内容:かかった費用の半分(2分の1)を県が補助してくれます。もらえる上限: 通常は10万円(アドバンス企業に認定されていれば20万円にアップします)。使い道のアイデア:社内にちょっとしたキッズスペースを作るための備品を買ったり、家事代行サービスを社員が安く使えるように会社が補助したり、専門家を呼んで社内研修を開いたりできます。②男性育児休業取得促進奨励金(男の育休を進めるためのお金)条件:男性の社員が、合計で14日(2週間)以上の育児休業を取ること。もらえる金額:1つの会社につき、年度内で最大100万円。この100万円という資金は、中小企業にとって非常に大きなお金です。「男が育休なんて……」という社内の雰囲気を変えるきっかけになりますし、「うちは男性も当たり前に育休が取れる会社です」と求人票に書けるのは、今の時代、採用において武器になります。新しい福利厚生:「おかやま縁結び応援企業」で引きつける「おかやま縁結び応援企業」は、社員の結婚から応援する、新しい形の福利厚生メニューです。具体的なメリット:県が運営するマッチングサービス「おかやま縁結びネット」の利用や、おトクな「結婚応援パスポート」といった県のリソース(仕組み)を、そのまま自社の福利厚生として社員にプレゼントできます。登録してロゴマークを使ったり、県のホームページで紹介されたりすることで、「社員の人生の幸せを心から応援してくれる温かい会社」というイメージを世間に先駆けて植え付けることができます。結婚から子育てまでをずっと応援してくれる会社の姿勢は、これから結婚や出産を迎える若い世代の心に、他社には真似できない安心感として響きます。地域の応援を会社のパワーに変えよう岡山県が用意しているこれらの制度は、会社を元気にするための「応援」です。経営陣や人事の皆さんは、制度があるのをただ待つのではなく、自分の会社の悩みに合わせて上手に選んで使いこなしていきましょう。そして「ハレまる」などを使って、常に新しい情報を取り入れながら会社をアップデートしていくことが大切です。社員が安心して人生のイベントを迎え、笑顔で実力を発揮できる職場を作ること。ぜひ、「ハレまる」と検索してチェックしてみてください。サイトはこちら!ハレまる

8分

オーエヌ工業株式会社

オーエヌ工業株式会社

【レポート】オーエヌ工業株式会社:製造業における「人的資本経営」の体現子育て支援を軸とした組織文化の変革と競争優位性の構築1.おかやま子育てしやすい職場アワード2025受賞の背景深刻な労働力不足に直面する日本の製造業において、卓越した人的資本経営を実践し、持続的な競争優位性を構築しているオーエヌ工業株式会社(以下、同社)の戦略的成功要因を分析するものである。同社は2025年、「おかやま子育てしやすい職場アワード」を受賞した。この評価は単なる福利厚生の充実に対するものではない。1964年の創業以来培ってきたステンレス配管製品の製造技術、特に国内シェア7割を誇る「ナイスジョイント」という圧倒的な製品力を、いかに「人」という資本が支え、また「人」を活かすために技術がどう機能しているかを示す、極めて合理的な経営モデルです。本レポートでは、同社の取り組みを「技術力と柔軟性の相関」「経済的・時間的インセンティブの構造」「心理的安全性を生む文化」の三つのレイヤーから解剖し、他の中小製造業が参考にしてもらいたい「次世代型職場」を明らかにしていきます。2.経営戦略としての育児支援:属人性の排除と「技術・組織」の相乗効果同社における子育て支援は、慈善活動ではなく、事業の持続性を担保するための「戦略的投資」である。特筆すべきは、同社の製品特性と組織運営の論理的な結合です。技術標準化による「多能工化」の促進主力製品「ナイスジョイント」は、「誰でも簡単に、かつ確実に施工できる」という属人性を排除した優れた設計思想を持つ。最新の「ナイスジョイントX」では、施工不足をブラックライトで視覚化(青く発光)する機能を備え、人的ミスの防止を徹底している。顧客のニーズに前向きに取り組む姿勢、また、従業員に寄り添い職場環境を整備する姿勢などが、育児休業時のスムーズな業務引継ぎや多能工化を促す土壌となっている。技術が組織の柔軟性を生み、その柔軟性が子育て支援を可能にするという好循環がここにある。ビジネスメリット同社は、従業員の安心感がもたらす「リテンション(人材定着)」の効果を経営指標として明確に捉えている。ノウハウの蓄積: 鋳造から加工、検査までの一貫体制を支える熟練技能を、ライフステージの変化による離職から守り、社内に蓄積し続けている。採用ブランディング:「国内トップシェア」という信頼と、「子育てしやすい職場」という姿勢が、人材獲得競争における強力な差別化要因(EVP:従業員価値提案)となっている。3.実効性を担保する「制度設計」:ライフタイムバリューを重視したインセンティブ同社の制度は、法的基準を単にクリアするのではなく、従業員の「経済的不安」と「時間的制約」を戦略的に解消するように設計されている。経済的支援の階段状構造(祝金制度)ライフステージの節目ごとに増額される祝金制度である。出産祝金:10万円小学校入学:5万円中学校入学:8万円高校入学:10万円大学・専門学校入学:10万円このステップアップ構造は、会社が従業員の家族の成長に伴走するというメッセージであり、長期勤続に対する極めて具体的なインセンティブ(ロイヤリティ向上)として機能している。独自の休暇制度と実効性通常の有給休暇とは別に「特別有給休暇」を付与することで、実質的な所得補償と休息の双方を確保している。男性育児奨励休暇1歳まで20日間の有給付与。経済的損失をゼロにし、男性の家事参画を「権利」へ変容。産後パパ育休給与を100%支給。収入減という取得障壁を完全に排除し、取得率100%を実現。看護休暇の拡充小6まで適用(法定は小3)。有給扱い。育児の「中だるみ」期のリスクをカバーし、キャリア継続を支援。これらの制度により、産後パパ育休取得率および女性の復帰率は共に100%を維持している。製造業の現場において驚異的な数値であり、現場のリソース管理が高度に機能している証である。4.制度を形骸化させない「組織文化」優れた制度を機能させるのは「職場の空気感」である。同社はこの不可視な領域に具体的なコミュニケーションがある。「いつから休む?」という日常的な会話懐妊等の報告を受けた際、上司が即座に「いつから休む?」と問いかける。これは単なる優しさではなく、経営的には「リソースの先手管理」である。取得を前提とすることで、現場は早期にバックアップ体制の構築に着手でき、稼働率の低下を最小限に抑えることができる。この「当たり前」の文化が、従業員の罪悪感を払拭し、心理的安全性を最大化させている。現場の活力を支える非公式コミュニケーション100円食堂:創業時より続く、個人負担100円の温かい食事。特に「大盛り自由のカレー」や「温かい味噌汁」は、現場作業員の基礎活力を支える福利厚生の象徴である。社長のおごり自販機:二人一組でタッチして無料になる仕組みは、部署の壁を越えた「偶発的な対話」を設計し、組織の硬直化を防いでいる。工場見学:外部への工場公開は、従業員に「社会インフラを支える誇り」を再認識させ、自己肯定感を高める場にもなっている。5.従業員の視点から見た価値:パフォーマンスへの昇華制度を利用した従業員の事例は、支援が組織への「貢献意欲」に変換されるプロセスを象徴している。制度を利用した従業員は第1子誕生時に2ヶ月の育休を取得した。この期間、家事・育児に専念し料理等の新たなスキルを獲得したことは、単なるリフレッシュに留まらず、人間としての多角的な視点の獲得に繋がっている。「会社が人生の節目を応援してくれている」という実感は、会社に対する「負い目」ではなく「信頼」となり、復帰後のパフォーマンス向上と、後輩に対する「育休取得の推奨」という意見やアイデアを吸い上げる文化継承を生んでいる。6.中小製造業が目指すべき「人的資本経営」のチェックリストオーエヌ工業の事例は、リソースの限られた中小企業こそ、人的資本を経営戦略の核に据えるべきであることを証明している。福利厚生は「コスト」ではなく、付加価値を生むための「資本」である。「水道インフラを支える」という同社の社会的使命は、従業員自身の生活が安定して初めて達成される。オーエヌ工業が示す、技術力と人間尊重が高度に融合した経営モデルは、製造業が持続可能性を確保するためのヒントになるのではないでしょうか。

14分

社会福祉法人 愛誠会

社会福祉法人 愛誠会

「楽しくなくっちゃ仕事じゃない!」岡山・愛誠会に学ぶ、みんなが笑顔で長く働ける職場のつくり方「国家資格を持ち、現場の要である介護福祉士が、育児のためにキャリアを諦めざるを得ない」今から25年前、岡山県新見市に拠点を置く社会福祉法人「愛誠会」に寄せられた一人の職員からの相談が、すべての始まりでした。ライフイベントによって大好きな仕事を諦めてほしくない――。愛誠会がいち早く取り組んだのは、単なる「形だけの福利厚生」ではなく、職員一人ひとりの人生に徹底的に寄り添う環境づくりでした。その長年にわたる温かい取り組みが評価され、同法人は「令和7年度 岡山子育てしやすい職場アワード」を受賞。今回は、求職者の皆さんに知ってほしい「愛誠会が、どこよりも居心地がよく、成長できる場所である理由」をポイントでご紹介します。---1. 職場の笑顔が増える「ちびっこ出勤」夏休みなどの長期休暇中、「子どもを家に一人で残すのが不安…」と悩む必要はありません。愛誠会では、子どもと一緒に堂々と出勤できる「ちびっこ出勤」が根付いています。驚くべきは、周囲のスタッフや入居者様も、子どもの来訪を大歓迎していること。職場がパッと明るくなる:子どもたちが元気に挨拶する声で、施設全体に自然な笑顔が広がります。親の背中を見せられる:「お父さん・お母さん、かっこいい!」と、子どもに自分の仕事を誇れる瞬間が生まれます。スタッフからは、「子どもを預ける罪悪感がなくなり、安心して目の前の仕事に集中できる」と大好評の制度です。---2. 制度を押し付けない。「あなただけの働き方」を一緒に作る対話型マネジメント愛誠会には、9時から15時まで・残業なし・土日休みの「スクールタイムワーカー制度」など、充実した仕組みがあります。しかし、本当に自慢したいのは、その制度を運用する「優しさ」です。オーダーメイドの「ペアレントサポートプラン」「今、何ができる?」「どんなサポートがあれば無理なく働ける?」を、一人ひとりと徹底的に話し合います。型にはまった時短勤務ではなく、あなたの今の状況に合わせた働き方を一緒に作ります。勤務時間内の子育てサロン「ゆいまーる」仕事の合間に、スタッフ同士で育児の悩みを相談したり、子ども用品を譲り合ったり。職場の中に、いつでも頼れる「ママ友・パパ友」のコミュニティがあります。3. 「誰もが見てくれている」安心感。名もなき頑張りを褒め合う文化介護の仕事は、マニュアルに書かれたことだけではありません。「雨で濡れていた床を綺麗に拭く」「さりげなく声をかけて入居者様を笑顔にする」といった、日々の小さな優しさが現場を支えています。愛誠会では、そんな「陰の貢献」を素晴らしい仕事として讃え合います。グッドジョブボックス:スタッフ同士で「いい仕事をしてくれている・助かったなど」をカードに書いて投票し、月1回共有、年間表彰も行います。働くメリット:「自分の頑張りを誰かが見てくれている」という実感が、自己効力感を高め、「もっと良いサービスを届けたい」という前向きなモチベーションに繋がっています。4. 20代からシニアまで、全員が主役。「マッチングアドバイザー」の安心サポート愛誠会では、定年を70歳まで延長しています。これは単に長く働けるというだけでなく、「年齢を重ねても、体調に合わせてずっと輝ける場所がある」ということです。専門のアドバイザーが常駐:2名の「マッチングアドバイザー」が、年齢や体力に応じた業務の軽減、配置転換の相談にいつでも乗ってくれます。若手世代にとっては「将来も安心して長く働けるキャリアのイメージ」が湧き、シニア世代にとっては「これまでの経験を無理なく活かせる」という、全世代にとって優しい環境が整っています。5. 「未来の地球を守る」福祉。誇りを持って働けるカーボンニュートラルへの挑戦愛誠会が挑戦しているのは、働きやすさだけではありません。福祉施設としては全国的にも珍しい「脱炭素(カーボンニュートラル)」を本気で推進しています。太陽光発電や蓄電池を導入し、建物から排出されるCO2をゼロにする「スコープ2」を達成。その理由は?:「万が一の災害時でも、自家発電で入居者様の命を絶対に守り抜く」という強い想いがあるからです。「自分たちの法人は、地域の未来を創っている」という誇りを持てる環境が、特に環境意識の高い若い世代の仲間を引きつける魅力になっています。愛誠会のすべての取り組みの根底にあるのは、たった一つのシンプルな想いです。「楽しくなくっちゃ仕事じゃない」仕事は我慢してやるものではなく、自分の人生を豊かにするためにあるもの。だからこそ愛誠会は、あなたのライフイベントや困難を「個人的な問題」として切り捨てず、「どうすれば一緒に乗り越えられるか」を本気で考えます。「誰もが笑顔で、自分らしく長く働ける職場」が、ここにあります。

14分

ちゅうぎんフィナンシャルグループ D&I NEXT10 推進部

ちゅうぎんフィナンシャルグループ D&I NEXT10 推進部

「育休はブランクではない」— 科学とデータで紐解く、これからの「共育て」が組織と子供を強くする理由当たり前になった「共働き・共育て」時代の戸惑いかつては「共働き」が特別な選択肢であった時代もありましたが、現代社会において、夫婦が共に働き、共に子供を育てることはもはや標準的なライフスタイルとなりました。しかし、その一方で「仕事と家庭をどう両立させるか」という課題に直面し、日々の生活に余裕をなくし、葛藤を抱えている方も少なくありません。今、企業には単なる福利厚生としての制度整備を超えた、実態に即した「組織風土改革」が求められています。今回、ちゅうぎんフィナンシャルグループの執行役員であり、D&I NEXT10 坂口有美子氏に話を伺いました。D&I=単に多様な人材が集まることだけを指すのではありません。一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織を目指す「経営戦略」そのものなのです。NEXT10=10年先を見据えた長期的な企画立案を推進するこれからの時代に求められる組織と家庭のあり方を紐解きます。データが示す意外な真実:男性の方が「柔軟な働き方」を求めている?「育児や家事は女性が中心に行うもの」という性別役割分担の意識は、主観的なイメージではなく、具体的なデータによって明確に覆されつつあります。ちゅうぎんフィナンシャルグループが昨年度、従業員を対象に実施した意識調査では、現代の労働者が抱える意外な本音が明らかになりました。柔軟な環境を求める男性たち「どのような環境なら活躍しやすいか」という問いに対し、意外にも女性より男性の方が「仕事と家庭の両立のしやすさ」や「ライフイベントへの理解があり柔軟に働ける環境」を求める割合が高いという結果が出ました。若い世代の不安育児や介護による制約や不安については、世代が下がるほど男性も強く感じていることが判明しています。「家事・育児は妻がやるもの」という思い込み(アンコンシャス・バイアス)は、もはや経営上のリスクです。管理職や経営側がこの変化を正しく認識し、多様なライフスタイルに寄り添う姿勢を持つことが、優秀な人材を惹きつける鍵となります。「育休はブランクではない」— キャリアと育児の相乗効果育休を取得することに対して、「キャリアに空白(ブランク)ができる」「周囲に申し訳ない」という不安を感じる人は少なくありません。しかし、D&I戦略の視点から見れば、育児の現場で培われる経験は、極めて価値の高いビジネススキルへの投資と言えます。育児は、毎日が予期せぬトラブルの連続です。その中で磨かれる能力は、復職後の組織運営において強力な武器となります。坂口氏は、育休期間の価値を次のように再定義しています。「育休っていうのは決してブランクじゃない」っていうことはお伝えしています。イレギュラーなことを瞬時に判断したり、調整をしたり、忍耐力も当然いりますし、そういったことって必ず今後の仕事にも必ず活かせてくる。育休中に養われる能力は、現代のビジネスシーンにおいて、リーダーシップを発揮する際にも欠かせない要素なのです。科学で証明された「親性能(おやせいのう)」:父親の育児が子供の未来を変える父親が、育児に深く関わることは、単なる「家庭のサポート」以上の科学的メリットを次世代にもたらします。近年、脳科学の分野で注目されているのが「親性能」という概念です。脳の物理的な変化おむつ替えや授乳といった育児経験を繰り返すことで、男性の脳も「子育てに適した状態」へと物理的に変化します。これにより、親としての共感力や適応能力が高まっていくのです。子供の「社会能」を育むメカニズム父親特有の関わり方(問題解決型の対話やダイナミックな身体的接触)は、子供の脳内にある「扁桃体(不安や恐怖を司る)」と「前頭前野(感情調整や判断を司る)」のバランスを整えます。これにより、失敗から学ぶ力や社会性が養われることが科学的に証明されつつあります。長期的なメンタル安定幼少期に父親と安定した愛着関係を築いた子供は、思春期の感情爆発からの回復が早く、大人になってからも自己肯定感が安定し、他者との信頼構築がスムーズになる傾向があります。男性の育休は、パートナーを助けるための「休暇」ではなく、子供の生涯にわたる成長を支え、自らの「親性能」を磨くための「戦略的な投資期間」なのです。「戦略的育児」のススメ:一人で抱え込まない勇気「親性能」は父親一人の努力で高まるものではありません。家族というチーム、そして組織というバックアップがあって初めて最大化されます。これからの時代に必要なのは、すべてを自分で抱え込まず、周囲を巻き込む「戦略的育児」の視点です。「頼る」ことも立派な戦略パートナー、両親、そして会社の制度を戦略的に活用することは、持続可能なキャリアと子供の健やかな成長を両立させるための賢明な選択です。「自分が頑張らなければ」という呪縛を解くことが、結果として家族全員の幸福度を高めます。「制度」を「風土」へと昇華させるどんなに立派な制度があっても、使えなければ意味がありません。必要な人が遠慮なく制度を使える「風土」があるかどうかが、組織の真の成熟度を測る指標となります。選ばれる地域、選ばれる職場を目指して岡山県においても、若者や女性が「ここで働き続けたい」と思える環境づくりが急務となっています。その最前線で活動しているのが、14名の女性メンバーで構成される「WePRO(ウィープロ)」です。彼女たちの使命は、人口減少や女性の都市部への流出といった地域の課題に対し、キャリア支援やネットワーク構築を通じて「選ばれる岡山」を作ること。多様なキャリアの選択肢を提示し、誰もが自分らしく挑戦できる土壌を整えることは、地域の活力を維持するために不可欠なプロセスです。組織のあり方、そして家族の形は、10年前の常識に縛られる必要はありません。未来を見据えた「ネクスト10」の視点で、常にアップデートし続けていくべきものです。

15分

株式会社アイ・サポート

株式会社アイ・サポート

株式会社アイ・サポートに学ぶ「これからの働き方」1. 「働く」のイメージを変える新しいモデル「社会に出るのが少し怖い」「仕事が始まったら自分の時間はなくなるのかな」――そんな不安を抱えてはいませんか?ある日、岡山県岡山市にある株式会社アイ・サポートでは、1年間頑張った学生の「送別会」が開かれていました。テーブルに並ぶのは、社長が「パパ友」のネットワークを通じて百貨店から取り寄せた食事。社員たちが笑顔で門出を祝うその光景は、まるでひとつの家族のようでした。上下水道という地域の重要なインフラを支えるこの企業は、「個人の幸せ」と「会社の成長」を両立させている全国的にも注目すべきモデルケースです。なぜ、アイ・サポートが「人を大切にすること」を経営の核に据え、驚異的な成長を遂げているのか、その秘密を解き明かしていきます。まずは、彼らがどのようにして私たちの当たり前の日常を守っているのか、その誇り高い仕事内容から見ていきましょう。--------------------------------------------------------------------------------2. 社会貢献のリアル:データとDXで「水」を守る誇り蛇口をひねれば水が出る。この「当たり前」は、実は今、大きな危機に直面しています。高度経済成長期に一斉に作られた日本の上下水道管が、一斉に寿命を迎えようとしているのです。アイ・サポートは、この課題を「GIS(地図ソフト)」で解決しています。目に見えない地下の水道管をデジタルデータとして「見える化」し、街の未来を守る「水道の守護神」としての役割を担っています。アイサポートの仕事が社会に与える「3つの安心」✅ 老朽化の予測: 膨大なデータを分析し、事故が起きる前に「どの管が危ないか」を予測して修理を提案します。✅ 迅速な復旧支援: 万が一、災害が起きた際も、データに基づきどのルートを優先して直すべきかを即座に判断します。✅ 持続可能な水利用: 住民がこれからもずっと、安心・安全に水を使える土台をバックグラウンドで支え続けています。「過去に作られた遺産を、データの力で未来へつなぐ」この社会的意義の大きな仕事を持続させるためには、働く人が心身ともに健やかでいられる環境が不可欠です。--------------------------------------------------------------------------------3. 「お互い様」が仕組みになる:柔軟な休暇制度の裏側「子供が急に熱を出した」「学校の行事がある」。生活の中では予期せぬ出来事が必ず起こります。アイ・サポートでは、これを個人の責任にするのではなく、デジタルツールを駆使した「仕組み」で解決しています。急な事態と予定された行事で、どのようにスムーズな連携が行われているのか?状況 連絡・共有の方法 連携のポイント✅急な休み・早退(子供の体調不良など) :チャットツール に書き込み全員が即座に状況を把握。「お迎えに行ってきます」の一言に対し、周囲が快く送り出す文化がある。✅予定された休み(学校行事・習い事) :社内共有の Excelスケジュール表 に記入 事前に共有することで、業務の締め切りや引き継ぎをチーム全員で調整。安心して休み当日を迎えられる。こうした制度が形骸化せず、実際に機能しているのは、社内に流れる「お互い様・おかげさま」があるからです。--------------------------------------------------------------------------------4. 文化としての「支え合い」:心理的安全性が生むアットホームな職場アイ・サポートのオフィスには、ピリピリとした空気はありません。社員からは「皆さんが本当に優しい」「気兼ねなく休める」という声が自然と溢れます。この空気感を作っているのは、長澤社長の思いです。✅社長の自身体験と想い: 長司社長は「仕事のせいで親が家庭でピリピリしてほしくない」「子供を一人で寂しくさせたくない」という切実な願いを持っています。✅社長自らがロールモデル: 社長自身も2児の父として学校行事に積極的に参加し、地域活動で「パパ友」を増やすなど、ワークライフバランスを自ら体現しています。✅「お互い様・おかげさま」の文化: 良いことは「人のおかげ」、困った時は「お互い様」。この精神が浸透しているため、誰かが休んでも「次は私が支える番」というポジティブな連鎖が生まれています。精神的な支えだけでなく、アイ・サポートは社員の肉体的なリフレッシュに対しても、非常にユニークなサポートを行っています。--------------------------------------------------------------------------------5. 自分を大切にする福利厚生:マッサージ補助とリフレッシュの価値「社員が自分自身の時間を充実させ、心身を整えることが、最高の仕事につながる」――アイ・サポートはこの考えを福利厚生という形で具現化しています。✅身体のメンテナンス支援: デスクワークで凝り固まった体をケアするため、マッサージや整体、スポーツ活動への費用を補助しています。(実例:週2回、接骨院に通ってリフレッシュする社員や、座り仕事の疲れを癒やすために毎週活用する社員もいます)✅「自分を磨く時間」を応援: 仕事以外の「情熱」を会社がバックアップします。(実例:総合格闘技に取り組む社員は、週2〜3日の練習をこなし、昨年度は見事に大会出場を果たしました。会社もその挑戦を応援しています)こうした「社員への投資」は、単なる優しさではありません。これが最終的に、会社に驚くべきビジネスの結果をもたらしました。--------------------------------------------------------------------------------6. 「働きやすさ」が「稼ぐ力」に:10年で売上4倍の衝撃「働きやすさを優先すると、経営が甘くなるのではないか?」という疑問に対し、アイ・サポートは「10年で売上約4倍」という圧倒的な数字で答えを出しています。「働きやすさ」が「会社の成長」に直結する。✅1. 定着率の圧倒的な向上: 働きやすいため、経験豊富な社員が辞めずに働き続けてくれる。✅2. 経験の「資産化」: ベテランの技術や知識が社内に蓄積され、強力な「戦力」として維持される。✅3. スキルのスムーズな継承: ベテランに余裕があるため、新人への教育が丁寧になり、組織全体のレベルが底上げされる。✅4. 品質向上と信頼の獲得: 仕事の質が上がり、顧客(自治体等)からの評判が高まる。✅5. 好循環による売上拡大: 継続的な受注と新規案件の獲得が増え、10年前の厳しい状況を脱して安定経営を実現。「働きやすさ」は、経営戦略なのです。そして、この進化は止まりません。--------------------------------------------------------------------------------7. 未来への約束:性別やライフステージを超えた支援の広がりアイ・サポートは、現在の成功に甘んじることなく、さらなる支援の拡充を宣言しています。これからのアイ・サポートが目指す3つの進化✅経済的支援のさらなる充実 出産時や入学時の一時金を支給するなど、社員のライフイベントを金銭面でも直接サポートする仕組みを導入予定です。✅「男性の育児参加」を文化に 現在は女性が多い職場ですが、今後男性社員が増えても、性別に関わらず当たり前に子育てに参加できる体制を整えます。✅介護や全ライフステージへ

10分

NPO法人 まんなか

NPO法人 まんなか

【レポート】NPO法人 まんなか男性育休は、キャリアの「バージョンアップ」期間だった。地域と職場の空気を変えるNPO法人真ん中の挑戦1. 導入:誰もが直面する「孤独な育児」という課題誰も訪ねてこない静かな部屋で、泣き止まない赤ちゃんの重みを一人で受け止める――。そんな心細さを象徴する言葉に「アウェイ育児」があります。これは、出身地以外の見知らぬ土地で、親類や友人の助けを得られずに孤軍奮闘する育児のこと。NPO法人「真ん中」の代表理事・岡田直氏も、かつてこの「アウェイ」の洗礼を受け、深い孤独を経験した一人でした。この原体験から、岡田氏は使われなくなった「旧旭竜幼稚園」を利用し、誰もがふらりと立ち寄れる地域の居場所を作りました。仕事と家庭の両立は、現代を生きる私たちにとって避けて通れないテーマです。孤独を抱え込むのではなく、地域や職場をどう巻き込み、自分たちの日常を「自分事」として再構築していくのか。そのヒントを紐解いていきます。2. 衝撃の比喩:育児広場はパパにとっての「女性の下着売り場」?育児支援の場に足を踏み入れようとする父親たちの前には、目に見えない高い壁が存在します。ある父親は、その違和感を鮮烈な言葉で表現しました。「子育て広場に来るのは、まるで女性の下着売り場にいるような居心地」この言葉は、多くの支援施設が無意識のうちに「母親向け」の空間になり、父親を「ゲスト(客)」として扱ってしまっている現状。岡田氏はこの心理的なハードルを取り払うため、施設のデザインにおいて「心理的安全性の確保」を重視しています。あえてカラフルでポップな装飾を避け、ウッド調のニュートラルな内装に統一すること。過剰に干渉せず、まずは設備の場所を伝えるといった適度な距離感を保つこと。空間を「ジェンダーニュートラル」に設計し直すことで、父親が「当事者」としてリラックスできる居場所へと。3. 組織を変えるのは制度ではなく「空気感」日本の男性育休取得率は、2019年の7%台から、直近では40%を超えるまでに急上昇しました。しかし、数字が進む一方で、職場の「空気」に阻まれて取得をためらう声は今も絶えません。組織を変える鍵は、完璧な制度の整備以上に、取得を当然とする「空気感の熟成」にあります。ある企業では、若手社員が言い出しにくい状況を察した管理職が、自ら率先して育休を取得する「トップダウンのデモンストレーション」を行いました。「誰かが休んでも、お互い様でカバーし合える」。そうした文化が根付いた組織は、単に休みやすいだけでなく、変化に対して柔軟で、メンバー間の心理的安全性も高い、強固なチームへと進化していきます。4. 育児によるキャリアの「バージョンアップ」という視点育児期間をキャリアの「ブランク(空白)」と捉える時代は、もう終わりました。岡田氏は、復職した社員が以前よりも格段に「バージョンアップ」していたエピソードを語ります。「育児は、ビジネスの現場以上に「思い通りにいかないこと」の連続です。」その状況下で、粘り強く試行錯誤を繰り返し、優先順位を瞬時に判断し、周囲に細やかな気配りをする――。こうした育児を通じて磨かれる「適応力」や「問題解決能力」は、現代の不確実なビジネス環境において極めて希少なスキルです。実際に岡田氏の夫も、育休を経て今では自分のお弁当作りからアイロンがけ、買い出しまで主体的にこなす戦力になったといいます。また、興味深いデータとして「専業主婦よりも、働きながら育児をしている人の方がストレスが低い」という傾向があります。これは、仕事と家庭という「複数のアイデンティティ(世界)」を持つことで、一律ではない多層的な視点が生まれ、精神的な逃げ場(リカバリー)として機能するためです。5. 追い詰められる前に唱えたい「魔法の質問」夫婦が家庭という閉じた空間で限界を迎える前に、共有しておくべきコミュニケーションの作法があります。それは、負担をどちらが背負うかという議論ではなく、「システムとして解決する」という視点を持つことです。「自分たちだけで頑張ろうと思わず、『誰に聞こうか?』『何かサービスはないか?』と、常に外部のリソースを探る対話を意識してみてください」具体的には、以下のようなプロフェッショナルの力を借りるという選択肢です。* ファミリー・サポート・センター事業(ファミサポ):地域の相互援助を活用した預かり支援。* 産後ヘルパー・家事代行:掃除や食事の負担を物理的に軽減。* 理学療法士:抱っこの仕方など、身体的な負担を軽減するプロの指導。* 助産師:授乳や育児の悩みを専門的見地から解消。* ファイナンシャルプランナー(FP):将来への経済的不安を可視化。情報が溢れるSNSとは異なり、個別の事情を汲み取ってくれる「生の対話」こそが、孤独な育児の特効薬となります。6. 結論:人生100年時代、今しか見られない景色を狙いに行く乳幼児期の子供の成長は驚くほど速く、二度と繰り返されることのない「一瞬の景色」です。人生100年という長いスパンで考えれば、育休という数ヶ月の時間は、キャリア全体における重要な投資期間に他なりません。また、誰もがいつかは病気や介護など、仕事に100%コミットできない時期に直面します。今、職場で育休を応援し合い、カバーし合う文化を育むことは、巡り巡って「将来の自分」を助けるためのリスクマネジメントでもあります。岡田氏「目まぐるしく変わる子供の表情を、一番近くで見届けられるチャンスを、ぜひ戦略的に「狙いに」行ってください。」あなたは今日、パートナーや同僚に「誰を頼ってみようか?」と問いかけてみませんか?そして、職場の空気を少しだけ柔らかくするために、まず何から始めますか?イベント情報:NPO法人 まんなか(インスタグラムへ)

13分

おかやま子育てしやすい職場アワード2025表彰式

おかやま子育てしやすい職場アワード2025表彰式

【レポート】「おかやま子育てしやすい職場アワード2025」に学ぶ、持続可能な成長を叶えるヒント「仕事に打ち込めば家庭が犠牲になり、家庭を優先すればキャリアが停滞する」――。今や共働き・共育ては当たり前の時代。深刻化する人手不足の中で、従業員の子育て支援は「単なる福利厚生」ではなく、企業の存続と飛躍をかけた「経営戦略」そのものです。2026年(令和8年)2月18日、岡山県庁にて「岡山子育てしやすい職場アワード2025」の表彰式が開催されました。88件もの応募の中から選ばれた受賞企業の取り組みには、単なる制度導入を超えた「選ばれる企業」としての誇りと、驚くべき成長のサイクルが隠されていました。ライフスタイル・ビジネスの視点から、これからの時代に求められる「人と企業の新しい関係性」を解き明かすヒントを紐解きます。--------------------------------------------------------------------------------○「福利厚生」はコストではなく「売上倍増」への投資である福利厚生を「利益を削って従業員に還元するもの」と捉えがちですが、先進的な企業はその逆を証明しています。アワード受賞企業では、子育て支援を中心とした環境整備に注力した結果、「若手人材や学生の採用が飛躍的にスムーズになりました。」その成果は、福利厚生に力を入れ始めた10年前と比較して、売上はなんと2倍に成長。経営者は「良い人材がいなければ会社は維持できない。その人材を確保し続けるためにこそ、こうした投資が必要不可欠だ」と、切実かつ前向きな決意を語っています。人材を起点とした「サステナブルな成長サイクル」は、すでに実証されているのです。○「関係性の質」を向上させることが、組織を動かすエンジンになる優れた制度があっても、職場の空気がそれを拒めば形骸化してしまいます。受賞企業が共通して重視していたのは、目に見えない「組織文化」というエンジンの性能向上でした。職員同士が学び合い、互いの家庭事情を尊重して助け合う。この「関係性の質」の向上が、結果として組織全体のパフォーマンスを引き上げます。職員間の、関係性の質の向上から組織が成功するエンジンへとつなげよう互いを思いやる風土が醸成されることで、個々のモチベーションは「自走する組織」のエネルギーへと変換されます。制度を動かすのは、結局のところ「人」と「関係性」なのです。○ハードルを物理的に取り除く「企業内保育園」のインパクト女性ドライバーの採用が増加している運送・物流業界など、現場での業務が必須となる職場では、育児との両立が最大の障壁でした。アワード受賞企業では、以前「子供が小さいから」と就業を断念せざるを得なかった応募者の存在をきっかけに、自社で保育園を設立。グループ従業員は、「預かり費用無料」という、物理的なハードルを完全に取り払う決断を下しました。こうした企業の理想像は、「職場で子供が生まれたことを、全員が心から喜べる場所」であること。仕事量の調整や相互サポートが「当たり前」の景色になることで、職場には「大切にされている」という深い安心感と幸福感がもたらされています。○「仕事の頑張り」と「家族の選択肢」をリンクさせる独自の評価基準「子育て支援」と「成果主義」は、決して対立する概念ではありません。アワード受賞企業では、成果を出した人材を正当に評価し、大きく配分する新しい評価制度を導入しています。ここで鍵となるのは、経営側が発信するストーリーの力です。「一生懸命働くことが、自分の結婚や子育て、そして家族により多くの選択肢を与えることにつながる」。つまり、仕事の成果が自分自身の人生を豊かにする手段であることを、経営陣が明確なメッセージとして伝えているのです。「当たり前に生きる」ために、誇りを持って働く。この一貫性が、従業員の納得感と強い活力を生み出しています。○「自分満足」が「お客様満足」を生む、幸福の循環構造サービス品質の向上は、従業員の幸福感から始まります。看護や医療現場など、リモートワークが難しく、目の前の患者さんと向き合い続ける職種であっても、「知恵」と「空気感」で支え合うことは可能です。「会社に大切にされている」という実感(自分満足)があるからこそ、お客様にも誠実に向き合える。アワード受賞の医療現場の職員は、「帰宅が困難なほど忙しい職種でありながら、職場の理解と空気感のおかげで、3人の子供たちの学校行事にはすべて欠かさず参加できた」と語っています。こうした従業員の幸福度を起点とした好循環こそが、これからのサービス業における「リクルートブランド」の核となるでしょう。--------------------------------------------------------------------------------知恵と工夫が生み出す「選ばれる職場」の未来岡山県知事は、「職場や規模によって難しさはあるが、知恵と工夫で取り組める余地は十分にある」と述べています。県では専門家派遣や生産性向上のための補助金、セミナー等を通じて、企業の挑戦を強力にバックアップしています。また、企業版子育て支援ポータルサイト「ハレまる」も、https://8092-okayama.jp/haremaru-portal/今年1月末から大幅に機能が強化されました。専用ページでは: 応援企業の業種や従業員数、具体的な宣言内容を網羅高度な検索機能: 規模や地域、過去の表彰歴による絞り込みが可能メッセージ機能: 他社や就活生に向けた熱いメッセージを掲載他社の知恵を学び、自社流にアレンジするためのツールは、すでに揃っています。子育て支援は、もはや特別な活動ではありません。「あなたの職場が、もし『子供が生まれたことを全員で喜べる場所』に変わったら、10年後の会社の姿はどう変わっているでしょうか?」未来への一歩は、今日、目の前の職員を思う「小さな知恵」から始まります。

10分

社会福祉法人 津山福祉会編

社会福祉法人 津山福祉会編

【レポート】53通りの働き方がある介護施設?「自分の働くは自分で作る」社会福祉法人 津山福祉会 高寿園に学ぶ、職場改革仕事と育児の「二者択一」を終わらせる、現場発のイノベーション 「介護の仕事は過酷で、育児との両立なんて到底無理だ」。そんな固定観念が、多くの有能な人材を現場から遠ざけてきました。しかし、岡山県津山市にある社会福祉法人「津山福祉会(高寿園)」の事例は、そんな職場環境が過去のものであることを証明しています。 深刻な人手不足が叫ばれる介護業界において、なぜこの施設には人が集まり、そして辞めないのか。そこには、制度をトップダウンで押し付けるのではなく、職員自らが「自分の働くは自分で作る」という意志を持って進めてきた、職場改革の物語がありました。働き方を創造に変えた、ボトムアップの「53通りのシフト」 津山福祉会・高寿園の最大の特徴は、スタッフの数だけあると言われる「53通りの働き方」です。これらの多様な勤務形態は、2009年に発足した「両立支援委員会」という職員主体の組織から生まれました。改革の出発点は、経営陣による号令ではなく、現場スタッフへの徹底的なアンケートでした。そこで噴出した「もっとこう働きたい」というリアルな声を、一つひとつ制度へと昇華させていったのです。「多様な価値観を大切にする」という風土は、単なるスローガンではありません。子供が小学校を卒業するまで利用できる短時間正社員制度など、ライフステージの変化に合わせた柔軟なアップデートが今も続いています。画一的な労働条件を排除し、個人の事情を「わがまま」ではなく「システムへのヒント」と捉える姿勢こそが、職場への深い信頼を生んでいます。 「子供スタッフ」という発想。職場を教育と交流の場に変える津山福祉会・高寿園では、子連れ出勤を「許可」する段階を超え、親の負担軽減だけでなく、子供の教育的側面にあります。実際に子供を連れて出勤していた職員は、こう振り返ります。「親が教えるマナーや接遇には限界があります。でも、人生の大先輩である入居者様という『本当の人物』を相手にすることで、子供は自分の態度や言葉遣いの意味を、肌で理解できたのだと思います」高齢者と接することで育まれる思いやりの心。職場が「親が消える場所」ではなく「親が輝く姿を見せる場所」へと変貌することで、次世代を育む豊かなコミュニティが形成されています。 DXは「楽をするため」ではなく「誰もが活躍するため」にあるテクノロジーの導入も、この施設では「多様な雇用を守るための手段」として定義されています。例えば、ベッドのマットレス下に設置された「眠りスキャン」などのICT機器。これは体重移動や心拍、呼吸を感知する薄型センサーにより、入居者の睡眠状態をリアルタイムで可視化するものです。この導入により、夜間の見守り負担が大幅に軽減されただけでなく、意外な効果をもたらしました。 「誰が担当しても、同じ水準のケアができる」というスキルの平準化です。リアルタイムの情報共有と身体的負担の軽減(ノーリフティングケア)によって、経験の浅い若手や、体格の小さな職員、さらには妊娠中のスタッフであっても、等しく質の高いケアを提供できるようになりました。 さらに、このDXが施設の外まで広がっ

18分

株式会社 行雲編

株式会社 行雲編

「レポート」倉敷発の「心が豊かになる働き方」株式会社行雲 1. 倉敷の美しい街並みから生まれる、新しい「豊かさ」の形岡山県倉敷市、江戸時代の情緒を今に伝える美観地区。白壁の蔵屋敷が並ぶこの歴史的な街並みを舞台に、「心の豊かな暮らしを作る」という鮮やかなビジョンを掲げる企業があります。古民家を活用したゲストハウスやカフェ「有鄰庵(ゆうりんあん)」などを展開する、株式会社行雲(こううん)です。彼らが提供するのは、単なる観光サービスの枠を超えた「新しい生き方の提案」そのもの。同社がサービス業という、「第一回岡山子育てしやすい職場アワード」を受賞したという事実です。なぜ行雲は、これほどまでに高いエンゲージメントと幸福感に満ちた組織を構築できたのか。その裏側には、既存のビジネス常識を軽やかに、かつ本質的に覆す「ルール」が存在しました。 2. 「妊婦さんいらっしゃい採用」が当たり前という感覚行雲の象徴的な姿勢を象徴するのが、「妊婦さんいらっしゃい採用制度」です。これは妊娠中の方であっても、その事実を理由に採用を制限しないという、一見すれば大胆な方針です。代表の犬養(いぬかい)氏は、社内で「ワンさん」の愛称で親しまれています。このニックネームは苗字の「犬」に由来するというユーモア溢れるもの。そんなフラットな空気感を持つ犬養氏は、この制度について極めて淡々と語ります。 「妊婦だから拒むっていう意味が、あんまりわからなくて」多くの企業が産休・育休による一時的な戦力ダウンを懸念する中、犬養氏にとっては、その人の人生のフェーズによって採用を左右することの方が、むしろ不自然なこと。この「制度を制度とも思わない」ほどにフラットな姿勢は、現代の採用市場において極めて希少です。スタッフの中谷さんも「家庭やプライベートを尊重する雰囲気が全社に根付いている」と語る通り、この姿勢こそが、社員の心に揺るぎない「心理的安全保障」を植え付けています。 3. 会社と家庭の境界線を溶かす「ボーダーレス」な空間「どこでも会社にお子さんウェルカム制度」というユニークな取り組みにより、同社の運営する「有鄰庵」などの現場では、スタッフの子供たちが日常の風景に溶け込んでいます。小学生が学校帰りに会社に立ち寄る姿も、ここでは当たり前の光景です。 しかし、行雲の凄みは「子連れ出勤」の枠組みを遥かに超えたところにあります。•スタッフの家族(両親や祖父母、子供) •パートナー(恋人、友人) •さらには近所の人々までも会社のイベントや日常の空間に、誰でも自由に出入りできる「ノーボーダー」な社風が育まれています。会社を「効率を追求するためだけの隔離された場所」にするのではなく、人生の豊かさが交差する「サードプレイス」として再定義しているのです。職住一体ならぬ「公私の美しい融合」が、そこにはあります。

20分

特定医療法人 自由会

特定医療法人 自由会

【レポート】残業わずか2.8時間。岡山から届いた「医療現場」の常識を覆す働き方の革命 1. 医療現場の「当たり前」を疑う「医療従事者は多忙を極めて当たり前」——。そんなイメージを抱いている方は多いのではないでしょうか。人命を預かる現場ゆえの緊張感と、慢性的な人手不足。医療業界において「働き方改革」は、理想であっても実現は困難な高い壁。 しかし、岡山県岡山市南区に、その「常識」を鮮やかに覆している組織があります。回復期リハビリテーションを主軸に、入院から在宅までシームレスなサービスを提供する「特定医療法人 自由会」です。岡山光南病院や光南クリニックを運営する同法人は、岡山県が実施する「岡山子育てしやすい職場アワード」を受賞。特筆すべきは、単に「休みが多い」といった表面的な制度の話に留まらない、徹底した「人本主義」の浸透です。 残業時間は月平均3時間に満たず、有給休暇取得率は約9割。なぜ、これほどまでに高い生産性と職員の幸福度を両立できるのか。医療現場の未来を指し示す、自由会の「働き方の革命」の裏側に迫ります。 2.1981年からの「先見の明」はトレンドではない自由会の取り組みを紐解いて驚かされるのは、その歴史の深さです。働き方改革が国を挙げて叫ばれるずっと前、昭和56年(1981年)に岡山市南区で診療所を開設した当初から、すでに「職員が安心して働ける環境」への投資が始まっていました。 •昭和57年:院内託児所を開設 •昭和62年:育児休業制度を導入(県内医療機関では初)•昭和63年:完全週休2日制を導入 昭和62年に育児休業制度を導入した点です。当時、医療機関でこのような制度を設けるのは極めて稀でした。なぜ、これほど早くから着手できたのでしょうか。 そこには、「安心して継続的に働ける環境こそが、医療の質に直結する」という、現理事長の強い信念がありました。開設当初、人材の採用と定着に苦慮した経験から、職員を大切にすることこそが最大の「リスクマネジメント」であり、組織の基盤であると見抜いていたのです。自由会の改革は、単なるトレンドの追随ではなく、40年以上にわたる確固たる経営哲学の継承なのです。 3. 不妊治療を「特別休暇」で支える実行力自由会の制度が優れているのは、それが単なる「福利厚生の羅列」ではなく、切実な「職員の声」から生まれている点にあります。定期的な満足度調査やアンケートを通じて職員の不安を吸い上げ、具体化した好例が「不妊治療支援制度」です。費用の補助に加え、年間10日の「特別休暇」を設定している点。この制度の背景には、自身も理学療法士として現場を知り、不妊治療の経験を持つ事務部長の強い想いがあります。仕事と治療の両立には心身ともに大きな負担と不安が伴います。だからこそ、経済的な支援だけでなく通院のための特別休暇も設定し、職員が安心して治療に臨

14分

有限会社 三協鋲螺編

有限会社 三協鋲螺編

岡山県玉野市にあるねじ屋さん有限会社三協鋲螺は、「従業員第一主義」を掲げ、従業員の幸せを最優先事項としています。子育て支援や残業削減、働きやすい職場作りのために導入した具体的な施策は以下の通りです。1. 残業ゼロの実現と給与のベースアップ2019年4月から「残業ゼロ」を宣言しました。残業がなくなることで従業員の手取り額が減らないよう「基本給のベースを2割近くアップさせる」という踏み込んだ対策を行っています。これにより、従業員は自ら業務の効率化を考えるようになり、実際に午後5時ちょうどには退社できる環境が整っています。2. 柔軟な勤務・休暇制度• 短時間正社員制度: 通常は午前8時から午後5時までの勤務ですが育児等の事情に合わせて「午前9時から午後4時まで(実働6時間)」といった、勤務時間を短縮した正社員としての働き方を選択できます。• 1時間単位の有給休暇: 有給休暇を1時間単位で取得可能です。子供の急な発熱や病院への送迎、市役所や銀行での用事など、短時間の用事にも柔軟に対応できるため、仕事と家庭の両立に役立っています。• メモリアル休暇: 本人の誕生日や結婚記念日などに、年に1日、特別に休みを取得できる制度です。休暇の予定はGoogleカレンダーで共有され、社員同士で調整しやすい仕組みになっています。3. コミュニケーションを促進する施策• もぐもぐタイム: 毎日午後3時に会社がおやつを用意し、全員で交流しながら食べる「お茶会」を実施しています。この時間は単なる休憩ではなく、互いの家庭環境や状況を知るための親睦の場となっており「子供が風邪気味なので明日は休むかもしれない」といった相談がしやすくなるなど、互いにサポートし合える雰囲気作りにつながっています。4. 今後の展望今後は出産後の支援だけでなく、若い世代への妊活支援(不妊治療の費用サポートなど)の導入も検討しており、さらなる従業員ファーストな環境作りを目指しています。これらの取り組みの結果、正社員の離職率がゼロになり、有給休暇の取得率も80%を超えるなど、目に見える成果が現れています。三協鋲螺の取り組みは、機械を動かす小さなネジが全体を支えるように、従業員一人ひとりの生活を支えることで会社という大きな組織をより円滑に、そして、力強く動かしている。そんな企業でした。

17分