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🔶 宗教と音楽の深い縁丸井:「高千穂さん、今週はどんなお話でしょうか?」高千穂さん:「今週は『仏教と音楽』というテーマでお話しします」宗教と音楽は、古くから切り離せない深い関わりがあります。キリスト教では賛美歌やミサ曲、クラシック音楽もその多くが教会音楽に起源を持っています。丸井:「仏教でも音楽って重要なんですか?」高千穂さん:「そうですね。たとえば雅楽(ががく)が挙げられます。神社のイメージが強いかもしれませんが、仏教でも大切にされてきました。さらに称名(しょうみょう)、つまりお経や念仏も、節やリズムがあり、音楽的な要素を含んでいるんです」🔶 正信偈の多彩な節浄土真宗で大切にされている「正信偈(しょうしんげ)」にも、節が存在します。高千穂さんによると、現在は「送付(そうふ)」「行譜(ぎょうふ)」「真譜(しんぷ)」の三種類の節がありますが、昔は十種類以上の節が存在し、地域によって歌い方が異なったそうです。高千穂さん:「全国が今のように繋がっていなかった時代、各地で独自の節が生まれたんですね」🔶 親鸞聖人の「和讃(わさん)」と民衆への伝わり方親鸞聖人は、教えを広く民衆に伝えるため、当時の流行歌であった「今様(いまよう)」の旋律に乗せ、かな交じりの柔らかな言葉で「和讃」を作りました。高千穂さん:「『教行信証』のような漢文の書物は、当時の庶民には難しかった。だからこそ和讃が作られたんです」🔶 明治以降の仏教と洋楽の融合明治維新で西洋文化が日本に入り、仏教界でも西洋音楽の要素を取り入れた「仏教唱歌」が生まれました。これにより、伝統を守りながらも時代に合わせた新たな表現が模索されてきました。丸井:「伝統と新しいもののバランス、難しいですね」高千穂さん:「そうなんです。伝統だけだと古びてしまう。でも、新しいものばかりだと本来の形が崩れる。だからこそ、法要や儀式では伝統的な節、みんなで集まる場面では新しい歌、それぞれ役割を分けて大切にしてきたんです」🔶 音楽が問いかける“変わるもの・変わらぬもの”丸井:「言葉も音楽も、時代とともに変わっていく。でも全部が変わったら大切なものが失われてしまう。その加減って難しいですね」高千穂さん:「まさにその通りです。音楽一つとっても、私たちの暮らしや価値観と深く関わっています。伝統を守りつつ、新しいものも取り入れる――その姿勢が仏教にも求められているのだと思います」🔶 まとめ:音楽に学ぶ仏教の柔軟さ今週は「仏教と音楽」というテーマでお届けしました。高千穂さん:「仏教の音楽は、称名や雅楽など古くからのものもあれば、明治以降の仏教唱歌のように新しい風も取り入れてきました。伝統と革新のバランス、その難しさと大切さを改めて感じていただければと思います」🔶 次回予告:「嘘も方便」について来週は「嘘も方便」というテーマでお話しします。仏教的に“嘘”はどんな意味を持つのか?興味深いお話をお届けします。どうぞお楽しみに。🔶 あなたのお悩み、聞かせてくださいこの番組では、リスナーの皆さまからのお悩み相談も受け付けています。メールは → goen@rkk.jp までお寄せください。出演お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)司会:丸井純子今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。では、また来週お会いしましょう。
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高千穂さんのご縁です。