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肥後銀行から「熊本地域振興ICカード(通称:くまモンのICカード)」を2027年9月いっぱいで終了するという発表がありました。熊本では2024年秋に、SuicaやSUGOCAなどの全国共通型交通系ICカードの利用が全国で初めて終了しており、大きな話題を呼んだばかりです。今回は、ライブ配信ディレクターの斉場俊之さんが、「くまモンのICカード」が地域振興に果たした役割と残された課題、そして今後の熊本の交通系キャッシュレスのあり方について、RKKの江上浩子と共にお届けします。🔶 わずか12年で終了。最後発だった独自ICカードの軌跡くまモンのICカードは、全国的に共通型ICカードが普及しきっていた2015年にスタートしました。全国の独自型カードの中でも、ほぼ最後発での導入だったといいます。▶ 協議会での異論:当時、熊本市の公共交通協議会委員だった斉場さんは、事前の情報提供もなく独自型カードの導入が決定したことに強く異論を唱えました。結果として、全国共通型ICカード「も」使える「片乗り入れ」の仕組みが作られましたが、バスの降車口に複数の読み取り機が並び、「どこにかざせばいいのか」と利用者を混乱させる要因にもなりました。▶ 短命に終わった独自サービス:導入に際して様々な議論があったにもかかわらず、設備更新費などを理由にわずか12年でサービス終了を迎えることになります。「便利ですから、地域貢献しますから」と地元民間主導で始まった施策が、あっけなく幕を下ろす形となりました。🔶 キャッシュレスのメリット「いつでも・どこでも」を満たせていたか?キャッシュレス決済本来の魅力は、「いつでも」「どこでも」「お財布なしで」気軽に使える点にあります。▶ 限定的な利用先:くまモンのICカードは地域限定であったため、一部のコンビニエンスストアなど限られた店舗でしか使えず、加盟店がなかなか広がらないという課題がありました。▶ 磁気カードからの改悪感:かつて熊本で親しまれていた磁気カード(TO熊カードなど)は10%という高い割引率を誇っていましたが、ICカードのポイント還元率は1%でした。多くの県民にとって、実質的に「割引率の悪い電車・バス専用カード」になっていた側面は否めません。🔶 後継「くまモン! Pay」への懸念と地域経済のジレンマくまモンのICカード終了後は、先行導入されているクレジットカードのタッチ決済や、QRコード決済「くまモン!Pay」が受け皿となる予定です。しかし、この新システムにも不安が残ります。▶ アプリ内という制約: 「くまモン!Pay」にチャージしたお金は、専用アプリの中でしか使えません。加盟店が増えなければお金が使えず、「お財布がなかったら詰んでしまう」状況になりかねないのです。▶ 食事券販売低調の背景にも:現在、震災復興のためのプレミアム付き食事券「食べて応援!食のみやこ熊本券」が発行されていますが、1次発売は想定の2割程度の販売にとどまっていると報道されています。様々な要因が考えられますが、決済プラットフォームとしての「くまモン!Pay」の利便性がまだ低く、アプリ導入のハードルが高いことも理由の一つではないかと斉場さんは指摘します。地域経済の中でお金を回すことに固執するあまり、利用者の利便性をかえって窮屈にしていないか、立ち止まって考える必要があります。🔶 斉場氏からのメッセージ「利用者目線を置き去りにしない交通政策を」広島県でも独自ICカードから新システムへの移行という似た課題がありましたが、熊本とは異なり、一時的に全国共通型ICが利用できる端末を残し、利便性と新サービスを両立させました。一方の熊本では、事業者の都合や地域の事情を優先するあまり、今までの便利な方法を移行期間もなく「捨てなくてはいけない」事態を招き、利用者に不便を受け入れるよう強いてきた点があると斉場さんは振り返ります。今後のキャッシュレス対応に向けて、斉場さんは次の3つを強く要望しています。▶ シンプルで誰でも使いやすいサービスを追求すること▶ 新サービスへの移行期間を十分にとること▶ 社会に広く普及しているサービスを無視しない形で展開すること「誰のために、何のために」。交通インフラは利用者が使いやすいと実感できてこそ広く普及します。利用者目線を不可欠としたサービス設計が、これからの熊本には求められています。出演:ライブ配信ディレクター・斉場俊之さん / 聞き手:江上浩子(RKK)
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