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――復旧の焦りや罪悪感を乗り越え、自分と地域を守る復興へのアプローチ熊本地震から10年という節目の年を迎え、大型観光企画「熊本デスティネーションキャンペーン」などで県内が活気と笑顔に包まれていた矢先、熊本を再び襲った大きな地震。熊本県内の停電はすべて解消されたものの、断水や避難所生活は続いており、住宅被害や罹災証明の手続きなど、被災現場では過酷な対応が続いています。1回目の地震を経験しているからこそ「みんな強いよね」と励まし合う一方で、観光や商業、農林水産業など産業全体への打撃も大きく、「前回よりも精神的にしんどい」と疲弊する声も少なくありません。このような厳しい状況下で、私たちはどのように心と生活を守っていけばよいのでしょうか。ライブ配信ディレクターの斉場俊之氏が、全国の被災地支援に携わってきた経験をもとに、今伝えたい3つのメッセージを語りました。聞き手はRKKの江上浩子氏です。🔶 1. 「がんばらない」をがんばる――我慢を溜め込まず、目の前の人に吐き出す熊本の人々は辛抱強く、「しょんなか(仕方がない)」「自分は家族も無事だったからまだ大丈夫」と現状を一身に受け止めてしまう傾向があります。その結果、1人で片付けをして熱中症になったり、必要な手伝いや行政支援を遠慮して一人で抱え込んでしまうケースが懸念されています。斉場氏は「そぎゃんこつは思わんちゃよか(そんなこと思わなくていい)」と強く語りかけます。口にするためらいを捨てる「誰に言えばいいのか」「断られたらどうしよう」と頭の中で悩み続ける前に、保健師や警察、県外から応援に駆けつけてくれている支援者など、目の前にいる人にいまの辛い気持ちや困りごとを言葉にして吐き出すことが大切です。「繋ぐ」支援の重要性応援に入っている支援側の人々も、目の前の相談をすべて自分で直接解決できるとは限りません。専門外の相談であっても「解決できる人や適切な窓口を探して繋ぐ」という姿勢を持つことで、一人ひとりの我慢や孤立を防ぐことができます。🔶 2. 「できない罪悪感」を持たない――普段通り暮らすことも立派な復興地震からの復興には必ず地域差や個人差という「時間差」が生じます。被害が比較的軽かった地域や人から順に、少しずつ日常が戻っていきます。そうした中で生じやすいのが、「隣の町や被災地がまだ大変なのに、自分たちだけ普通に生活していいのだろうか」という罪悪感です。自分の生活と心を優先する余震への恐怖や、自身の仕事・経済的な打撃を抱えている場合は、まず自分自身の生活と心身の安全を守ることが最優先です。体力や資金に余裕があればボランティアや寄付を行うのも素晴らしいことですが、それができないからといって罪悪感を抱く必要はまったくありません。日常を維持する価値特別な支援活動ができなくても、普段通りの日常を静かに暮らし続けること自体が、地域を支える立派な復興活動であり支援活動です。🔶 3. 「楽しむ」ことを忘れない――息抜きと経済循環で心と地域を守る阿蘇や人吉、天草といった県内の主要観光地では、交通状況や遠方からの自粛ムードにより観光客が減少するなどの影響が出ています。だからこそ、被災地から近い場所にいる私たちが、身近な地域に足を運んで「楽しむ」ことが大きな意味を持ちます。後片付けに追われている日々の息抜きに連日の片付けや過酷な環境から少し離れ、日帰りで出かけたり、映画や買い物で息抜きをすることは、疲れ切った心を守るために不可欠な時間です。地域経済を回す支援楽しむことを不謹慎だと遠ざけるのではなく、地元で消費し、笑顔を取り戻していく行動そのものが、疲弊した地域経済を活性化させる力となります。🔶 まとめ余震や復旧作業が続く中、焦りや不安から自分を追い詰めてしまう人が増えています。「がんばらないこと」を意識し、周りの人に甘え、できる範囲で普段通りの暮らしと楽しみを大切にする。一人ひとりが無理をせず自分自身を慈しむことこそが、長丁場となる復興への道のりを支える確実な一歩となります。出演:ライブ配信ディレクター・斉場俊之さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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