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ポッドキャスト番組『意のごとく』~今 ここから~
【不登校問題について】
ゲストは、RITA学園高等学校 校長 人見 敏史さん 事務長 髙橋直美さん
RITA学園高等学校にて公開録音をした模様をお届けします。
不登校から笑顔を取り戻す5つの視点
「子どもが不登校になったら、親はどうすればいいのだろう……」
これは、不登校のお子さんを持つ多くの保護者の方が抱える、とても切実で深い悩みです。
近年、学校に通うことに悩みや生きづらさを感じるお子さんや、そのご家族が増えています。
どう対応すべきか分からず、ご家庭の中で孤立感を深めてしまうケースも少なくありません。
ですが、学びや成長の場は、決して「1つの学校」だけではありません。
現在では、全国の高校生のうち10人に1人が「通信制高校」を選択する時代になっています。
学校に行けない・通いづらい状態は、決して人生の行き止まりではありません。
むしろ、「自分らしい新しい選択肢や居場所に出会うためのきっかけ」になり得るのです。
香川県多度津町にある「RITA学園高等学校」の公開収録では、不登校に悩む親子に寄り添う、心温まるメッセージが明かされました。
視点1:高校に行く目的は「点数」ではなく「人生の選択肢を広げること」
「何のために高校へ行くのか?」という問いに対し、
RITA学園の校長先生は「高校卒業資格を得ることで、将来の就職や進学といった人生の選択肢が広がる」と語ります。
勉強のテストの点数を競うこと以上に、無理なく卒業資格を得ることが「自分なら大丈夫」という自己肯定感を育み、将来の可能性を広げてくれます。
通信制高校での学びは、主に以下の仕組みで成り立っています。
レポートの作成・提出
スクーリング: 各教科に定められた一定の授業数を出席
単位修得試験: リタ学園の場合、試験も含めた年間の登校日は10〜15日程度
人間関係や毎日の集団生活に強いストレスを感じやすい現代において、
「毎日通わなくても大丈夫」という仕組みがあることは大きな安心感につながります。
心に負担をかけず自分のペースで学び、将来の可能性もしっかり保持することができます。
視点2:子どもより先に「保護者自身が笑顔で過ごす」ことの重要性
不登校支援において、お子さん本人のケアと同じくらい大切なのが「保護者自身のケア」です。
RITA学園で美術を担当し、NPO法人「光かがやく絵顔の種」でも活動する横田先生(ご自身の娘さんの不登校をきっかけに支援を開始)は、
親子間で起こりやすい心の葛藤について指摘します。
子どもは「学校に行かなくていいよ」と言われると心が安らぎ、家庭で安心して過ごせるようになります。
しかし一方で、親側は「この先どうなってしまうんだろう」と不安になり、精神的に疲弊してしまうことがあります。
感受性の強いお子さんは、親が辛そうにしている姿を察して「自分のせいでお母さん・お父さんが苦しんでいる」と自分を責めてしまうこともあります。
互いに消耗し合う悪循環を防ぐためには、まず親自身が孤立せず、悩みを吐き出せる場所を持つことが大切です。
幡司さんの体験談では、娘さんが不登校になった際、無理に登校させず「行かなくていいよ」と受け止め、一緒に過ごしたそうです。
安心できる受け皿があったことで、娘さんは中学校に入るタイミングで自ら前向きに動き出すことができました。
「お母さん、お父さん、まずは家で明るく笑っとってください」
保護者の方が肩の荷を下ろし、ご家庭で笑顔を取り戻すことこそが、お子さんが元気を回復していく一番の土台になります。
視点3:「上手く描く」必要はない――アートを通じたオンリーワンの自己表現
従来の学校教育の中で「常に評価されること」に晒されてきたお子さんは、「絵を描いてみて」と言われても「無理です」と断ってしまうことがあります。
「上手く描かないと低い評価をされる」という怖さを抱えているためです。
表現活動の本質は「上手い・下手」という他者評価にはありません。
その子が描いたもの、表現したものは、他の誰も真似できない「オンリーワン」の価値を持っています。
RITA学園で開催されている「クリエイティブ授業」は、在校生だけでなく、不登校に悩む小学生や他校の高校生など、誰でも参加できる開かれた場です。
評価される恐怖から解放された自由な場で、「ありのままの自分」を受け入れてもらう体験を重ねることが、
本来の自分らしさや将来の希望を見つける大切なきっかけになっています。
視点4:職員室も校長室もオープンに。「1人の大人として信じる」居場所づくり
集団の教室に入ることが難しい生徒にとって、学校内に「教室以外の安心できる居場所」があることはとても重要です。
RITA学園では、校長室・職員室・事務室の扉を常に開き、生徒がいつでも自由に立ち寄れる環境を作っています。
日常のたわいない雑談や悩みを先生と交わし、それを否定せず耳を傾けてもらうことで、「先生が自分を認めてくれた」という大きな安心感が生まれます。
この小さな積み重ねが「ここなら自分らしくいられる」という居心地の良さにつながります。
この環境の根底にあるのは、「生徒を1人の人間として信じる」という強い信念です。
個人情報などが置かれている部屋であっても、「危険だから」「子どもだから」と遠ざけるのではなく、一人の大人として信頼して接する。
大人が先に信頼する姿勢を見せることで、生徒自身も相手を思いやった行動が自然とできるようになります。
大人からの信頼こそが、本当の意味で安心できる居場所を創り出します。
視点5:学校だけで抱え込まない。NPOや地域とつながる温かいネットワーク
不登校の支援や居場所づくりは、学校という組織だけで抱え込む必要はありません。
RITA学園では、NPO法人「光かがやく絵顔の種」をはじめとする外部団体と手を取り合い、地域に開かれたさまざまな取り組みを行っています。
校舎を活用した「マルシェ」の開催(地域に開放された体験と学びの場)
・音楽コンサートや講演会・校外体験学習・保護者向けの定期的な「お話会」・地域ごとの相談拠点や電話相談窓口の整備
学校・地域・NPOが多層的なネットワークを築くことで、「一人で悩みを抱え込ませない・孤立させない」ための温かい受け皿が地域全体に広がっています。
学校に行けない状態は、決して「人生の終わり」ではありません。
それは、これまでの「こうあるべき」という思い込みから解放され、自分らしい居場所や生き方に出会うための「大切で前向きなきっかけ」です。
一人で悩みを抱え込み、心をすり減らしてしまう前に、どうか思いをそのまま吐き出せる場所や、ありのままを受け止めてくれる温かい環境へ手を伸ばしてみてください。
あなたやご家族に寄り添い、話を聴いてくれる人は必ずいます。
ごうちゃんの「照らすこころ」