【地震に自信を】被災史料レスキューについて(2026年9月27日 今村文彦先生)

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【地震に自信を】被災史料レスキューについて(2026年9月27日 今村文彦先生)

熊本地震をはじめとする大規模自然災害では、被災した歴史資料や未指定文化財を救い出す「被災史料レスキュー」が、地域の歴史・文化の途絶を防ぐ重要な役割を果たしてきました。7月の熊本地震での活動の特徴、現状や課題は以下の通りです。
・レスキュー活動の特徴
熊本地震では発災から約1週間で「熊本史料ネット」が設立され、大学(熊本大学等)、行政、学芸員、市民ボランティア、全国の史料ネットなど官・学・民が即座に連携しました。また、過去に県や図書館が整備していた「古文書所蔵家リスト」などの台帳があったため、被災状況の把握と優先的な救出作業が円滑に進みました。そこで、国や自治体の指定文化財だけでなく、一般の旧家や庄屋跡に残る古文書・民俗資料など、放置すれば失われてしまう民間所有の「未指定文化財」の救出を主軸としました。過去の災害教訓を踏まえ、文化庁や国立文化財機構の「文化財防災ネットワーク」と全国各地の民間史料ネットが連動する初動・救援スキームが確立されています。現在、救出された史料(泥汚れ・水損・カビ被害など)に対する乾燥・クリーニング、燻蒸処理、目録作成やデジタルアーカイブ化など長期的な整理・修復が進められています。
・直面している課題
被災した住宅の再建が進まない場合、史料を元の場所へ返還できません。これを長期・永久保存する公文書館や総合博物館などの地域インフラが不足しています。また、震災後の公費解体や過疎化・世代交代により、所有者や解体業者が史料の価値に気付かないまま「ゴミ」として廃棄してしまうリスクが絶えません。
熊本県では、9月3日から、被災した文化財を救出し、所有者の自宅等の再建まで一時保管を行う救援活動(文化財レスキュー事業)を本格的に開始しました。活動は、8月6日から緊急的に実施していましたが、9月3日からは文化庁及び国立文化財機構と連携し、全国から継続してレスキュー隊を熊本県に派遣する形での救出活動が本格的に始まりました。レスキュー隊は、熊本史料ネット等の学術団体や博物館協会等の関係団体を対象として募集した方々により構成されています。

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