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東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授が地震・津波をテ-マにわかりやすく解説する『地震に自信を』を中心に、防災・減災に役立つ情報と音楽をお送りします。

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エピソード

【東北大学防災UPDATES!】環境変動への海洋生態系の応答(2026年10月18日 須賀利雄先生)

【東北大学防災UPDATES!】環境変動への海洋生態系の応答(2026年10月18日 須賀利雄先生)

変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)所長東北大学災害科学国際研究所教授 須賀利雄先生観測史上最強に迫るエルニーニョ現象をはじめ、従来の「常識」が通用しないような環境の変化に対して、海の生態系がどのように応答し、変化していくかを理解し、その予測を可能にすることは、水産資源の持続的な利用や海洋環境の健全性の維持のために不可欠です。私たちが呼吸している酸素の約半分が海洋生態系によってもたらされていることからも、これは明らかでしょう。しかし、エルニーニョ現象などの気候変動の物理学的な側面は、気象学や海洋物理学の物理法則によって理解され、予測が可能なのに比べて、生態系の変動予測についての研究は、まだ始まったばかりと言っても過言ではありません。物理的な因果関係だけでは、生態系変動の予測はできず、生物の生理学的応答や順応などを扱う必要があり、さらに、漁業活動が生態系に与えるストレスも考慮するなど、異なる学術分野を融合した研究が必要なのです。これを実現するために設立されたのが変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)です。東北大学と海洋研究開発機構が共同で運営するWPI-AIMECでは、分野を超えた議論を重ね、海洋生態系変動の予測可能性を追求する研究が本格化してきました。分野融合研究の拠点となる建物も青葉山で建設が始まり、2028年秋に完成する予定です。市民の皆さんにも開かれた研究拠点として、公開スペースを充実させるつもりです。ご期待ください。

9分

【地震に自信を】新書のご紹介(2026年10月18日 今村文彦先生)

【地震に自信を】新書のご紹介(2026年10月18日 今村文彦先生)

今村文彦監修『大津波・巨大地震に負けない!最強防災+生き残る術』(フォルドリバー刊)は、2026年9月に発刊された防災実践ガイドです。「最新の科学的知見」と「自衛隊の実践的ノウハウ」が融合した実践的な一冊として、専門機関や防災関心層から非常に高い注目と評価を集めています。■専門性と信頼性の高さ(専門家監修)南海トラフ巨大地震や首都直下地震、富士山大噴火といった大規模災害に対して、科学的根拠に基づいた的確な備えと行動指針が示されています。■陸上自衛隊の全面協力による圧倒的な実践性現場のプロである陸上自衛隊が全面協力しており、自衛隊員15名のインタビューや実際のサバイバル・避難ノウハウを掲載。防衛省自衛隊東京地方協力本部の公式X等でも紹介されるなど、現場に即した生存術として信頼を得ています。■100の方法をイラスト・写真で図解「津波襲来時の行動」「流されたあとの救助・被助法」「避難所での生き延び方」など、100の具体的ステップを豊富な写真とイラストで解説。子供から高齢者まで直感的に理解しやすい構成になっています。■災害発生直後から避難生活までをカバー単なる備蓄リストにとどまらず、発災直後のパニック回避から避難生活での衛生・体力維持、津波からの脱出法まで、生存に必要なプロセスが段階的に整理されています。一過性のマニュアルにとどまらず、一家に1冊置いて繰り返し確認・共有するのに適していると思い、推薦いたします。https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784752270119

7分

【地震に自信を】「ぼうさいこくたい」について(2026年10月11日 今村文彦先生)

【地震に自信を】「ぼうさいこくたい」について(2026年10月11日 今村文彦先生)

「ぼうさいこくたい(防災推進国民大会)」は、産・学・官・民の多様な主体が結集し、国民全体の防災意識向上と知見の共有を図る日本最大級の防災イベントです。2015年に仙台で開催された第3回国連防災世界会議において「仙台防災枠組2015-2030」が採択されたことを契機に、政府や関係機関が連携し、国民一人ひとりの防災意識の向上や「自助・共助」の取り組みをさらに推進することを目的として2016年に始まりました。第2回は仙台で開催されています。行政、企業、大学、NPO、地域団体などが日頃の防災活動や最新技術、復興の知見を発表・交流するプラットフォームとしての役割を担っています。現地での講義型セッションや体験型ワークショップ、屋外車両展示などに加え、オンライン配信を組み合わせたハイブリッド形式を展開しており、子どもから専門家まで誰もが身近に防災を学べる場が提供されています。11回目を迎える今年は、鳥取県のエースパック未来中心、鳥取県立美術館周辺などを会場として、10月17日(土)・18日(日)の2日間にわたり開催されます。「共に考え・備え・守る~『支え愛』で守る命と暮らし~」をテーマに、発災から10年を迎える鳥取県中部地震をはじめ、さまざまな災害の教訓を踏まえ、地域での助け合いの重要性を全国へ発信します。気候変動に伴う災害の激甚化や人口減少が進む中、専門知識やテクノロジーを地域社会の「共助」へとつなげ、国民一人ひとりが主体的に行動できる「災害に強い社会づくり」を牽引していくことが大きく期待されています。

8分

【東北大学防災UPDATES!】エルニーニョ、観測史上最強となる可能性が高まる(2026年10月4日 須賀利雄先生)

【東北大学防災UPDATES!】エルニーニョ、観測史上最強となる可能性が高まる(2026年10月4日 須賀利雄先生)

変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)所長東北大学災害科学国際研究所教授 須賀利雄先生春からエルニーニョ現象が継続しており、冬に向けてさらに発達する見通しです。エルニーニョは太平洋赤道域の東部から中央部にかけての海面水温が平年より高くなる現象で、世界中に異常気象をもたらします。通常、東風(貿易風)によって西側に集められている暖かい海水が、風が弱まることで東へ広がり、その結果、海面水温を押し上げます。水温が高くなった海域では激しい上昇気流によって積乱雲が発達します。この大気の「エンジン」が赤道付近の西側から東へ移動することで地球全体の空気の流れが変わり、各地で干ばつや森林火災、大雨などの災害を引き起こすのです。日本では冷夏、暖冬になる傾向があります。過去最強だった1997〜98年のエルニーニョでは、監視海域の水温が平年より3.6度高くなりましたが、今年8月時点ですでに3.4度高くなっています。このままいけば、今冬にかけて観測史上最強の記録を大幅に塗り替える可能性が高まっています。一方、エルニーニョ現象が起きると日本では冷夏、暖冬になるという「常識」は、地球温暖化の影響もあって崩れつつあります。地球温暖化は従来の気象パターンを塗り替え、これまでの「経験則」だけでは予測できない新たなリスクをもたらしていることに注意する必要があります。

8分

【地震に自信を】10月を迎えて(2026年10月4日 今村文彦先生)

【地震に自信を】10月を迎えて(2026年10月4日 今村文彦先生)

10月は国際的な記念日や大型イベントの開催、季節特有の災害リスクへの備えなど、防災意識を高めるための話題が数多く重なる時期です。国際防災の日(10月13日):1989年に国連が制定した国際的な記念日で、自然災害による被害軽減やリスク管理を目的として、世界各地で啓発セミナーやワークショップが実施されます。また、気候が安定する秋口は、「ぼうさいこくたい」をはじめ、各地の自治体などが主催する体験型防災フェスタや避難訓練が多く開催されます。一方、10月は急発達する秋台風や秋雨前線の停滞による大雨・土砂災害が発生しやすい季節でもあり、ハザードマップや避難情報の確認、風雨前の自宅周辺の点検が必要です。2004年の新潟県中越地震(10月23日)や2016年の鳥取県中部地震(10月21日)など、過去に大きな地震が発生した時期でもあります。新潟県中越地震では、集落の孤立や土砂災害への対応、車中泊に伴うエコノミークラス症候群対策、ボランティア連携の重要性が明確になりました。鳥取県中部地震では、住宅の耐震化や瓦被害対策に加え、高齢化地域における「共助(地域の助け合い)」と迅速な情報共有の不可欠さが浮き彫りとなり、日頃の備えと支え合いの教訓を伝えています。気温が下がり始める季節のため、非常用持ち出し袋にアルミ保温シート、使い捨てカイロ、防寒着などを加える「季節に応じた備蓄の点検」が推奨されます。

8分

【地震に自信を】被災史料レスキューについて(2026年9月27日 今村文彦先生)

【地震に自信を】被災史料レスキューについて(2026年9月27日 今村文彦先生)

熊本地震をはじめとする大規模自然災害では、被災した歴史資料や未指定文化財を救い出す「被災史料レスキュー」が、地域の歴史・文化の途絶を防ぐ重要な役割を果たしてきました。7月の熊本地震での活動の特徴、現状や課題は以下の通りです。・レスキュー活動の特徴熊本地震では発災から約1週間で「熊本史料ネット」が設立され、大学(熊本大学等)、行政、学芸員、市民ボランティア、全国の史料ネットなど官・学・民が即座に連携しました。また、過去に県や図書館が整備していた「古文書所蔵家リスト」などの台帳があったため、被災状況の把握と優先的な救出作業が円滑に進みました。そこで、国や自治体の指定文化財だけでなく、一般の旧家や庄屋跡に残る古文書・民俗資料など、放置すれば失われてしまう民間所有の「未指定文化財」の救出を主軸としました。過去の災害教訓を踏まえ、文化庁や国立文化財機構の「文化財防災ネットワーク」と全国各地の民間史料ネットが連動する初動・救援スキームが確立されています。現在、救出された史料(泥汚れ・水損・カビ被害など)に対する乾燥・クリーニング、燻蒸処理、目録作成やデジタルアーカイブ化など長期的な整理・修復が進められています。・直面している課題被災した住宅の再建が進まない場合、史料を元の場所へ返還できません。これを長期・永久保存する公文書館や総合博物館などの地域インフラが不足しています。また、震災後の公費解体や過疎化・世代交代により、所有者や解体業者が史料の価値に気付かないまま「ゴミ」として廃棄してしまうリスクが絶えません。熊本県では、9月3日から、被災した文化財を救出し、所有者の自宅等の再建まで一時保管を行う救援活動(文化財レスキュー事業)を本格的に開始しました。活動は、8月6日から緊急的に実施していましたが、9月3日からは文化庁及び国立文化財機構と連携し、全国から継続してレスキュー隊を熊本県に派遣する形での救出活動が本格的に始まりました。レスキュー隊は、熊本史料ネット等の学術団体や博物館協会等の関係団体を対象として募集した方々により構成されています。

7分

【地震に地震を】クラカタウ島噴火と津波(2026年9月20日 今村文彦先生)

【地震に地震を】クラカタウ島噴火と津波(2026年9月20日 今村文彦先生)

インドネシア・スンダ海峡に位置するクラカタウ(およびその跡地に生まれたアナク・クラカタウ)は、火山体の崩壊や海洋噴火に伴う大規模津波を繰り返し引き起こしてきた世界的に知られる活火山です。・1883年8月26日〜27日 巨大噴火・大津波(噴火警戒レベル6の超巨大噴火)山体が劇的に崩壊、海水の急激な流入を伴う大爆発により、最大40m超の巨大津波が発生。スンダ海峡沿岸(ジャワ島・スマトラ島)で36,000人以上が死亡し、数百の沿岸集落が流失。噴煙が高度約80km(成層圏)まで達し、大量のエアロゾルにより地球の平均気温が翌年約1.2℃低下したと言われています。・2018年12月22日 アナク・クラカタウ山体崩壊・津波(噴火警戒レベル3)継続していた噴火活動により、1927年以降に成長した新島「アナク・クラカタウ」の南西斜面が海中へ滑り落ちる巨大山体崩壊が発生。大きな地震を伴わなかったため地震警報が出ないまま津波が沿岸へ到達。ジャワ島西部およびスマトラ島南部の沿岸に数メートルの津波が押し寄せ、430人以上が死亡、14,000人以上が負傷・被災。山体崩壊により島の標高が約338mから約110mへと一気に減少し、島自体の体積も約3分の2が消失。・2026年9月5日アナク・クラカタウ山噴火(噴火警戒レベル2〜3)9月4日深夜から5日午前にかけて連続的な噴火が発生し、夜間には溶岩噴泉や地鳴り・轟音が観測されました。噴煙・火山灰の高度は最大で上空約15,000mに達し、火口から半径3km以内への接近および一切の立ち入り活動が禁止されています。ジャカルタは東南アジアの主要ハブであるため、シンガポール、クアラルンプール、シドニー、ドーハなどを結ぶ国際線の欠航・遅延が相次ぎ、国際物流や人流に直接的な滞りを与えています。

8分

【地震に自信を】千葉豪雨の被害とワンコイン浸水センサー(2026年9月13日 今村文彦先生)

【地震に自信を】千葉豪雨の被害とワンコイン浸水センサー(2026年9月13日 今村文彦先生)

令和8年8月千葉豪雨(気象庁命名)は、線状降水帯による想定超えの集中豪雨が原因で、都市部を中心に甚大な内水氾濫をもたらしました。この概要と今後の対策、および「500円センサー」の導入効果について紹介します。局地的な激しい雨により排水機能が追いつかず、千葉市をはじめとする各地で大規模な道路冠水や床上・床下浸水が発生しました。排水ポンプ場の機能停止やマンホールからの溢水など、都市型水害の特徴が顕著に表れました。ハード面の対策として、1時間あたり65mm前後を想定した従来の雨水貯留槽や調整池の増設、下水道管の補強・大口径化、排水ポンプの耐水化および仮設能力の強化が進められていますが、各家庭での雨水貯留タンクや浸水対策用防水板の設置助成、ハザードマップの再周知、そしてIoT技術を用いたリアルタイム浸水監視体制の構築が急務とされています。その中で、国土交通省や自治体が実証実験を進めている「ワンコイン浸水センサー(機器や通信費が1台あたり数百円〜数千円規模の低価格浸水検知端末)」は、非常に有効で即効性の高い浸水対策です。従来の河川水位計は高額で設置場所が限られていましたが、低価格センサーであればアンダーパス、準用河川、内水氾濫が起きやすい住宅街の側溝などに大量設置でき、地域の「死角」をなくせます。また、水が到達した瞬間に自動でデータを送信するため、通行止めの早期実施や住民への迅速な避難呼びかけにつながります。ただし、多くのワンコインセンサーは「一定の水位に達したか」という検知が主目的であり、「水位がどれくらいの速度で上がっているか」という連続データ測定には従来の精度の高い水位計との組み合わせが必要です。大規模な貯留施設や下水管の拡充には数年から数十年かかりますが、ワンコインセンサーのような低コストIoTを網羅的に配置することは、今すぐできる防災力の底上げとして非常に効率が良いアプローチと言えます。

8分

【地震に自信を】2026年ベネズエラ地震・コロンビア地震の特徴(2026年9月6日 今村文彦先生)

【地震に自信を】2026年ベネズエラ地震・コロンビア地震の特徴(2026年9月6日 今村文彦先生)

南米で発生した2つの地震について紹介します。 ・ベネズエラ地震(6月24日)は、モーメントマグニチュード(Mw)7.2の地震発生からわずか約39秒後にMw7.5の地震が連続発生した「二重地震(ダブルイベント)」で、浅い横ずれ断層運動が主因でした。震源付近のヤラクイ州や首都カラカス近郊のラ・グアイラ州など北部沿岸部に破壊が集中し、死者5,000人超、建物の倒壊とインフラ途絶により大規模な仮設避難生活が強いられています。・コロンビア地震(8月10日)は、チョコ県を震源とするMw7.4〜7.5、深さ約110kmの「中深発地震」でプレートの沈み込み帯が起因です。広域へ揺れのエネルギーが伝播し、コロンビア全土およびエクアドル、パナマ、ベネズエラでも震動を観測。地滑りや都市部の建物倒壊により死傷者が多数発生し、国家非常事態が宣言されました。ふたつの地震の共通点として、南米北部の複雑なプレート境界部に位置するため、隣接する広域の中南米諸国にまで揺れが及び国境を越える影響があったことやインフラ寸断による救援の難航があげられます。また、耐震性の低いレンガ・コンクリート建造物の崩壊が多発したほか、余震や地滑りによるさらなる崩落リスクが避難活動を阻害しました。今後の復興・防災における課題として、孤立地域の救助と人道支援や大規模避難民の住環境の再建への支援体制、特異な地震パターンへの備えと耐震化などが考えられます。

8分

【地震に自信を】熊本地震から1ヶ月が経ちました(2026年8月30日 今村文彦先生)

【地震に自信を】熊本地震から1ヶ月が経ちました(2026年8月30日 今村文彦先生)

令和8年熊本地震は、7月28日16時27分頃に発生した内陸浅部を震源とする大規模地震です。直近の被害状況やこれまでに明らかになっている特徴、今後の主な課題を紹介したいと思います。震源は熊本県熊本地方、深さ約16km、マグニチュード7.1で、熊本県宇城市、八代郡氷川町で震度7、熊本市南区で震度6強、その他周辺市町村で震度5強〜6弱を観測しました。国内での震度7の観測は2024年能登半島地震以来です。8月中旬時点の集計で、死者39名、負傷者300名以上、全半壊含め1万3,000棟以上の住家被害があり、イオンモール熊本での爆発・崩落事故や、八代市の製紙工場での煙突崩落などが生じました。九州自動車道や主要国道の損傷・通行止め、また、ピーク時には数万戸規模の断水が発生しました。2016年の熊本地震から約10年というタイミングで、再び同地域を震源とするM7クラスの大揺れに見舞われました。復興を遂げつつあった地域基盤や住民の心理面に二重の大きな影響を与えています。①周期1〜3秒の強い揺れと産業・商業施設被害:横ずれ断層型特有の激しい揺れが平野部を中心に広がり、木造住宅のみならず工場煙突の折損や大型商業施設の一部破壊・爆発事故など、大規模建築物や産業インフラへの大きなダメージが目立ちました。②酷暑・真夏の避難環境:7月下旬〜8月初旬の最高気温が35℃を超える連日の猛暑の中で発災したため、避難所や車中泊、自宅の片付け現場における熱中症リスクが急増しました。・断水や停電が続く中、冷房設備の整った避難所の確保や給水態勢の強化が最優先課題です。環境悪化や車中泊に伴う体調不良(熱中症・エコノミークラス症候群・感染症)による「災害関連死」を防ぐ取り組みが求められています。・宇城市や八代市など一部地域で断水の完全解消まで期間(8月末頃見込み)を要しており、生活用水・飲料水の安定供給と幹線道路の早急な本復旧が急がれます。・10年前の熊本地震の記憶がフラッシュバックするなど、被災者の精神的負担が深刻化しています。長期的なメンタルヘルスケア態勢(PTSD・トラウマ対策)の構築が必要です。・避難地域の防犯と生活再建:空き巣等の不法侵入犯罪を防止するための巡回警備の徹底と、住家被害認定・り災証明書発行手続きの迅速化による住宅再建支援が求められます。

7分

【地震に自信を】南海トラフ地震臨時情報(2024年)(2026年8月23日 今村文彦先生)

【地震に自信を】南海トラフ地震臨時情報(2024年)(2026年8月23日 今村文彦先生)

2024年8月8日、宮崎県沖の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生したことを受け、気象庁は制度運用開始(2019年)以来初めてとなる「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。1週間の呼びかけ期間(8月8日〜8月15日)を経て呼びかけは終了しましたが、初の運用であったからこそ見えてきた成果・効果と混乱(振り返り)、そして今後の課題が明確になりました。成果・効果としては、個人や家庭での非常持出品のチェック、避難経路や安否確認手段の再確認など、平時の備えを再点検する直接的なきっかけとなりました。また、多くの自治体や事業者で、南海トラフ地震対策計画や初動対応フローを実地で検証する「社会実験」的な役割を果たしました。しかし、発表時期が夏休み・お盆休みの直前であったため、沿岸部を中心とする旅館・ホテルの大量キャンセル、海水浴場の開設中止、夏祭りや花火大会などイベントの延期・中止が相次ぎました。また、スーパーや薬局などで、水、パックご飯、米、防災用品の売り切れや品薄が発生しました。「注意」と「警戒」の区別がつかず、「〇月〇日に必ず巨大地震が来る(予知)」と誤解されたり、SNS上で偽情報・デマが拡散する事態が発生しました。今後に向けた改善策・展望として下記が挙げられます。①情報発信の強化と一元化;臨時情報発出時には内閣府と気象庁が速やかに合同で記者会見を開き、「何をするべきで、何をしなくてよいか(過度な自粛や買いだめを控えること)」をわかりやすく発信する態勢を整備。②直感的で伝わりやすい図解広報;「平常時」「注意」「警戒」の際にとるべき行動パターンを、視覚的に理解できるピクトグラムやイラストを用いて平時から周知。③事業継続(BCP)と生活の両立;自治体や観光事業者、交通機関などが一律に自粛するのではなく、「避難態勢を整えた上で社会経済活動を継続する」ための実用的な標準マニュアルの更新。

8分

【地震に自信を】仙台明治青年大学での60周年記念講演(2026年8月16日 今村文彦先生)

【地震に自信を】仙台明治青年大学での60周年記念講演(2026年8月16日 今村文彦先生)

仙台明治青年大学は昭和41年(1966年)6月に創立。市民センター等で行われていた「老壮大学」の修了生たちが「老壮大学の大学院のような学び場を」と提案したことから誕生した市民主体の生涯学習大学です。仙台市在住の満61歳以上(老壮大学等の修了生)が対象で、受講生は約700名にのぼります。本科生の修業期間は6年ですが、修了後も「研究生」として在学し続けられるため、「卒業のない大学」として長年親しまれています。「学生主体の自主運営」が看板で、学生の中から選出された運営委員会が年間の学習計画策定から講師の依頼、会計処理、講座当日の受付・司会進行までを行っています。学習内容は歴史、郷土史、健康・医療、科学、文学、時事問題など多岐にわたります。全学生を対象としたアンケート調査をもとにカリキュラムが編纂されるため、学生目線の関心に寄添った講座が毎月2回開講されています。クラブ・同好会活動など多彩なキャンパスライフと地域貢献が特徴で大学祭もあります。先月7月22日、太白区文化センター楽楽楽ホールを会場に「創立60周年記念式典」が行われ、私が『15年を迎えた東日本大震災の経験と教訓 -次への備えを』と題した記念講演を行わせていただきました。東日本大震災から15年目、発災当時の経験や風化させてはならない記憶・教訓の継承や今後想定される自然災害に向けた事前防災・減災のあり方、高齢者自身や地域コミュニティが取り組むべき現実的な「備え」と避難行動における留意点などを紹介、みなさん熱心に耳を傾けてくださいました。https://meiseidai.jp

7分

【地震に地震を】地震火山地質こどもサマースクール in 気仙沼(2026年8月9日 今村文彦先生)

【地震に地震を】地震火山地質こどもサマースクール in 気仙沼(2026年8月9日 今村文彦先生)

https://kodomoss.jp本日から明日10日の1泊2日で「第25回 地震火山地質こどもサマースクール in気仙沼」が開催されます。日本地震学会・日本火山学会・日本地質学会の地学系3学会、三陸ジオパーク推進協議会、および気仙沼市が連携して開催する小・中・高校生向けの体験型科学教育プログラムで、全国から40名以上にご応募いただきました。今回は、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館や気仙沼中央公民館などを会場に、被災地・気仙沼という「生きた現場」での実践学習を目指しています。東日本大震災の大きな被害を受けた気仙沼・三陸エリアで、津波のメカニズムや震災の教訓を教科書上の知識としてではなく、実際の地形・遺構・実験を通してリアルに体感・学習します。また、大学や研究機関の第一線にいる研究者と子どもたちが超近距離で対話し、「研究者は現場で何を見て、どう問いを立て、どう確かめるのか」というプロの科学的探究アプローチを直接受け継ぐことができます。明日13時からは公開フォーラムがあり、子どもたちが2日間の成果を発表するほか、専門家による基調講演(私が担当します)を行います。事前登録は必要ありませんので、気仙沼中央公民館へお越し下さい。サマースクール伝統の理念として、自然の脅威(防災・減災)だけでなく、豊かな地質やジオパークがもたらす「自然の恵み・地域の魅力」をセットで理解する視点を養います。過去のサマースクール参加者から地学・防災工学・都市計画分野への進学や、地域ジオガイドとして活躍する人材が生まれています。本大会を通じ、将来の防災リーダーや研究者の卵が育つことが期待されます。

8分