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ポッドキャスト番組『意のごとく』~今 ここから~
【オープニングトーク】
ゲストは、RITA学園高等学校 校長 人見 敏史さん 事務長 髙橋直美さん
RITA学園高等学校にて公開録音をした模様をお届けします。
「利他」は自己犠牲ではない?
香川の通信制高校・リタ学園から学ぶ、現代社会を生き抜くためのヒント
「周囲の期待に応えようとして疲れてしまった」
「自分の気持ちを後回しにして相手に尽くしたのに、心が満たされない」
SNSや職場、学校などの人間関係において、「自分優先(利己)」と「他者への気遣い(自己犠牲)」の板挟みに悩み、
燃え尽き感を抱えている人は少なくありません。
「利他」という言葉に「自分が我慢して他人に尽くすこと」というネガティブな重みを感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、本来の「利他」とは、本当に自分が損をして相手を優先することなのでしょうか?
RITA学園高等学校とは?
令和3年に開校した普通科の通信制高校(生徒数238名)。
校名に掲げる「リタ(利他)」の精神には、人間関係の疲れを解消し、現代社会を心地よく生き抜くための確かな知恵が詰まっています。
1.「人に尽くして疲れる」あなたへ。
少林寺拳法が教える「自分を半分立てる」生き方「利他」と聞くと、
「自分の想いや都合を押し殺して献身しなければならない」という誤解を抱きがちです。
真面目な人ほど自分自身を置き去りにし、心のエネルギーを枯渇させてしまいます。
しかし、RITA学園の教育の根底にある考え方はまったく逆です。
背景にある少林寺拳法には、次のような有名な教条があります。
「半ばは自己の幸せを、半ばは人の幸せを」この言葉が教えてくれるのは、「まずは自分自身をしっかりと自立・確立させること」の大切さです。
自分が満たされ、自分の足でしっかり立ってこそ、初めて他人を優しく思いやることができる。
自分の幸せを「半分」確保したうえで、残りの「半分」を相手の幸せのために使う。
校長先生は、次のように語ります。
「私たちが捉える利他の心は、自分も相手と共に大切にしながら支える心です」
自分を犠牲にする「自分0:相手100」の関係は持続しません。
「自分も相手も、どちらも共に大切にする」ことこそが、日常で取り入れるべき「利他」の真のスタートラインなのです。
2.経営の神様と弘法大師(空海)がつなぐ「利他」の系譜「リタ学園」という校名には、
歴史的思想と現代の経営哲学という2つのルーツが存在しています。
京セラ創業者・稲盛和夫氏の経営哲学(盛和塾) 今井理事長が「盛和塾」で学んだ「利他の心」をベースとする経営哲学。
未来を担う子どもたちに伝えるべく「RITA学園」と名付けられました。
弘法大師(空海)の真言密教(自利利他)多度津町は空海とゆかりの深い土地。
「修行は自分だけでなく人々の役に立つため」を目指す「自利利他(じりりた)」の精神は、四国の「お接待」文化にも根付いています。
一見難しく思える思想ですが、核心にあるのは「自分と他者の双方を活かすことで、持続可能な安心(心理的安全性)をつくる」という智慧です。
自分ひとりの利益や成功を追求するのではなく、周囲の幸せも同時に育む「自利利他」の精神が、現代の教育の場で再現されています。
3.「校長と生徒の距離ゼロ」?
職員室に生徒があふれる教育現場のリアル「自分も相手も大切にする」という利他の心は、実際の教育現場でどのように形になっているのでしょうか。
高橋事務長は次のように明かします。
「本校は校長をはじめ、教員も職員も関係なく、生徒との関わりがすごく深いというか、近いというのが特徴です。
毎日職員室には生徒がたくさんやってきます」
大人が立場や役職の壁を作って指導するのではなく、一人ひとりを対等な人間として受け入れ、寄り添う姿勢が徹底されています。
温かい空気感を象徴するエピソード今回の収録でMCを務めた幡司さんと人見校長は、実は50年来の幼馴染。
少年時代、自転車に乗って走り回っていた思い出が語られました。
50歳を迎えた今も冗談を言い合える、飾り気のない人間味あふれる関係性。
大人たちが素の自分を出し、お互いを尊重し合っているからこそ、生徒たちも背伸びをせずに安心して集まることができるのです。
4. 利己主義から利他主義へ――いま社会全体に求められる現代社会では、SNSでの比較や行き過ぎた競争によって
「自分さえ良ければいい(利己)」に陥ったり、逆に他者の目を気にしすぎて疲弊したりしがちです。
「利己主義から利他主義へ変わることが、今のこの社会で求められていると思います」
ここで言う「利他主義」とは、誰もが聖人君子のようになれという意味ではありません。
自分勝手に誰かを蹴落とす「利己」他人に気を使いすぎて自分を殺す「自己犠牲」この極端な生き方から抜け出すための視点のアップデートです。
生きづらさを感じたときこそ、「自分を大切にしつつ、目の前の相手も同じように大切にできているか?」と問いかける視点が、
自分自身の心を守る鍵になります。
「本当の利他とは、自分と相手の双方を尊重し、共に支え合う生き方である」というシンプルで力強い答えでした。
自分をすり減らしてまで誰かに尽くす必要はありません。
かといって、自分勝手に振る舞って孤立する必要もありません。
少林寺拳法の教えにあるように、「半分は自分のために、半分は相手のために」。
今日、職場や家庭で誰かと接するとき、ほんの少しだけその「半々の視点」を意識してみませんか?
その小さな切り替えが、あなたと周囲の人間関係を、今より少し温かく、心地よいものに変えていくはずです。
ごうちゃんの「照らすこころ」