失敗を「ありがとう」に変える大人の関わり――「どう育てたいか」から「子どもがどう育ちたいか」へ

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失敗を「ありがとう」に変える大人の関わり――「どう育てたいか」から「子どもがどう育ちたいか」へ

熊本日日新聞の投稿欄「たから箱」に掲載された小学生の詩をきっかけに、子どもが失敗を成長の糧にできる環境づくりについて考えます。熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長が、「大人の押し付け」から「子どもの主体性」へと視点を転換する重要性について解説します。聞き手はRKKの江上浩子です。失敗を「ありがとう」に変える大人の関わり八代市立松高小学校6年生の女子児童 溝口麗(みぞぐちれい)さんが寄せた詩には、1年生の運動会で踊りを間違えた苦い思い出と、それをきっかけに「できるまで練習する」ようになった経緯、そして当時の失敗に対する「ありがとう」という感謝の言葉が綴られていました。失敗や間違いを「恥ずかしい思い出」のまま放置せず、「自分を成長させてくれた大切な経験」へと昇華できた背景には、挫けたときに温かく受け止め、努力を後押しした保護者や教員の存在があったと考えられます。大人が失敗を責めず、安心してやり直せる環境を整えることで、苦い経験も意味のあるステップへと変わっていきます。「どう育てたいか」よりも「子どもがどう育ちたいか」子どもが失敗した際、大人はつい「なぜできないの?」と責めたり、「こういう子に育てたい」という大人側の理想や教育方針を一方的に押し付けたりしてしまいがちです。しかし、教育において真に尊重されるべきなのは、「大人がどう育てたいか」ではなく「子ども自身がどう育ちたいか」という問いです。子どもの真摯な自己分析出水南中学校では毎年、全校生徒を対象に「身につけたい力」や「目指す人間像」についてのアンケートを実施しています。生徒からは「途中で諦めずやり抜く力がほしい」「相手の心がわかる優しさを持ちたい」といった、自身の課題を踏まえた客観的で真摯な声が寄せられます。子どもの声から創る学校経営同校では、このアンケートから読み取れる「生徒がどう育ちたいか」という思いを反映させ、次年度の学校経営案(グランドデザイン)を作成しています。自由な選択を支える「安心安全な環境づくり」人を傷つけないことや社会的ルールを守ることを教えるのは、大人の果たすべき基本的な責任です。しかし、それを前提とした上で、どのような生き方を選び、どんな強みを伸ばしていくかは子ども自身の自由に委ねられるべきです。多様な価値観や生き方のモデルに触れさせ、子どもが「こうなりたい」と主体的に選択できる場を用意することが大人の役割です。子どもは周囲の大人の姿をよく見ています。大人が子どもに誇れる生き方を示しつつ、失敗を恐れずに挑戦できる安心安全な環境を守り続けていくことが求められています。出演:熊本市立出水南中学校校長・田中慎一朗さん/聞き手:江上浩子(RKK)

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